未経験から最短でITエンジニアになるには？目指す方法や向いている人の特徴

ITエンジニアという職業に、これから挑戦してみたいと考えている方は年々増えています。働き方の自由度が高く、将来性や収入面でも安定したイメージがあるため、未経験からでも目指せる職種として注目されているのです。

とはいえ、「IT業界って専門的すぎて、自分にできるのか不安」「文系出身だし、プログラミングなんて難しそう」と感じている方も少なくないでしょう。そんな疑問や不安を持ったままでは、一歩を踏み出すのはなかなか難しいものです。

この記事では、そもそもITエンジニアとはどんな仕事なのか、どんな人が向いているのか、そして未経験からエンジニアを目指すにはどんなステップを踏めばよいのかを、丁寧にわかりやすく解説していきます。スクールに通うべきか、独学でも大丈夫なのか、どの職種を選べばよいのかといった具体的な悩みについても、網羅的に取り上げます。

初めてITエンジニアというキャリアを考え始めた方にとって、この記事がその第一歩となり、将来の選択肢を広げるきっかけになれば幸いです。

ITエンジニアなるには？その前に基本を知ろう

近年、さまざまな業界でデジタル化が進み、ITエンジニアという職業がこれまで以上に注目されています。身の回りを見渡しても、Webサービスやアプリ、企業の基幹システム、ネットワークやクラウドなど、IT技術が使われていない場所はほとんどありません。それを支える存在こそがITエンジニアであり、今や社会のインフラを支える職業の一つと言っても過言ではありません。

とはいえ、「エンジニア」とひとことで言ってもその仕事は非常に幅広く、どのような業務を行っているのか、どんな種類があるのか、初心者にはイメージしにくい部分もあります。まずは、ITエンジニアとは何かを理解し、自分がどのような職種に興味を持てるのかを知ることから始めましょう。

• ITエンジニアとは？仕事内容と代表的な職種一覧
• 開発系・インフラ系・その他エンジニアの違いとは？
• ITエンジニアが活躍する現場と業界動向
• 未経験でも狙いやすい職種とは？【初心者向け職種ガイド】

ITエンジニアとは？仕事内容と代表的な職種一覧

ITエンジニアとは、情報技術（Information Technology）を活用して、システムの開発や運用、保守などに携わる技術者のことを指します。彼らの仕事は、単にプログラムを書くことだけにとどまりません。ユーザーの要望を聞いて設計する人、構築したシステムを安定して稼働させる人、セキュリティ面からリスクを管理する人など、役割は多岐にわたります。

代表的な職種には以下のようなものがあります。

• システムエンジニア（SE）
• プログラマー
• サーバーエンジニア
• ネットワークエンジニア
• Webエンジニア
• インフラエンジニア
• データベースエンジニア
• フロントエンドエンジニア
• プロジェクトマネージャー（PM）
• 社内SE
• セキュリティエンジニア

どの職種もそれぞれに専門性があり、必要とされるスキルや働き方も異なります。自分に合ったキャリアパスを考えるうえでも、それぞれの職種の役割や特徴を把握しておくことが大切です。

開発系・インフラ系・その他エンジニアの違いとは？

ITエンジニアは、大きく分けて「開発系」「インフラ系」「その他専門系」に分類できます。これは業務内容や扱う技術領域の違いによるもので、求められる知識や適性も異なってきます。

開発系エンジニアには、システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなどが含まれます。これらは主にシステムやアプリケーションを“作る”ことが仕事で、プログラミングや設計に関わる機会が多いのが特徴です。

一方、インフラ系エンジニアには、サーバーエンジニアやネットワークエンジニア、インフラエンジニアが該当します。彼らはITサービスを支える“土台”を作る技術者で、システムが止まらないように安定運用を支える仕事が中心です。

そしてその他の分野には、データ分析を行うデータベースエンジニアや、セキュリティを守るセキュリティエンジニア、社内のIT環境を整備する社内SEなどがあり、それぞれに専門性の高いスキルが求められます。

自分がどのような分野に興味を持っているか、手を動かしてものを作るのが好きか、支える裏方の仕事が得意か、などから考えていくと、適性のある領域が見えてきます。

ITエンジニアが活躍する現場と業界動向

ITエンジニアの活躍の場は、今やIT企業だけにとどまりません。金融・医療・教育・流通・製造など、あらゆる業界でデジタル化が進んでおり、どの企業もIT人材を必要としています。そのため、自社サービスを持つ企業、受託開発を行う企業、インフラ運用を手がける企業など、働き方や業務スタイルも多種多様です。

また、近年はクラウドサービスの普及や、AI・IoTといった新技術の登場により、エンジニアに求められるスキルも進化しています。一方で、IT人材の不足が深刻化しており、特に若手や未経験者を採用して育成しようとする動きも強まっています。

このような背景があるからこそ、未経験からITエンジニアを目指すチャンスが広がっていると言えるのです。

未経験でも狙いやすい職種とは？【初心者向け職種ガイド】

これからエンジニアを目指す方の中には、「どの職種から始めるべきかわからない」という声も多く聞かれます。未経験者でも比較的挑戦しやすい職種としては、次のようなものが挙げられます。

• 開発エンジニア（プログラマー）
  基本的なコードの書き方から始められる。
• テストエンジニア
  システムやアプリの動作確認を行う仕事。業務を通じてITの基礎が身につく。
• サーバー・ネットワークの運用保守担当
  ルーティンワークから始められるため、徐々に知識を身につけられる。

これらの職種は、企業側でも未経験者の受け入れ体制が整っていることが多く、研修制度やマニュアルが用意されている場合もあります。実務を通じて技術を身につけながら、自分が本当にやりたい分野を探していくというキャリアの始め方も十分に現実的です。

最初の一歩として、自分の関心やライフスタイルに合った職種を選ぶことが、長く続けられるキャリアへの近道になります。

なぜ今、未経験からでもITエンジニアを目指せるのか？

近年、ITエンジニアという職種は、専門的な知識やスキルを持つ一部の人のものというイメージから大きく変わりつつあります。プログラミング教育の必修化やDX（デジタルトランスフォーメーション）の推進、そしてリモートワークの普及など、社会全体がIT技術を前提とした構造へと急速に変化する中で、エンジニアの役割もより身近なものになっています。その結果、ITエンジニアは今、未経験者にも広く門戸が開かれた職種のひとつになってきています。

• IT人材の不足と将来性：2030年には約79万人が不足
• 「未経験OK」の求人の真実と読み解き方
• 年収・働き方・自由度の高さが未経験者に人気の理由
• 文系出身・営業経験者でも活かせるスキルとは？

IT人材の不足と将来性：2030年には約79万人が不足

IT業界では、技術の進化にともない、新しいサービスや仕組みが次々と生まれています。それに伴い、それらを支えるエンジニアの数が圧倒的に足りていないという現状があります。経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足するとも言われており、多くの企業が人材確保に力を入れざるを得ない状況です。

IT人材の不足は、現状約17万人から2020年には約37万人、2030年には約79万人に拡大すると
予測され、今後ますます深刻化すると考えられている。
引用元：経済産業省 商務情報政策局：ＩＴ分野について

このような背景から、未経験者を積極的に育成していこうという企業が増えています。専門的な知識がなくても、入社後に教育を受けながら業務を覚えてもらう体制を整えている企業も多く、新しい人材を取り込むことに前向きな業界だと言えるでしょう。

「未経験OK」の求人の真実と読み解き方

求人サイトや転職エージェントで「未経験歓迎」と書かれた求人を見かけたことがある方もいるかもしれません。この「未経験OK」の言葉には、企業側の意図や背景があります。一見すると、何のスキルも知識も持たなくてもすぐに始められそうに感じますが、実際には「職種として未経験」でも「最低限のITリテラシー」や「学習意欲」は求められているケースが少なくありません。

企業によっては、教育体制がしっかりしている代わりに、入社前にオンライン教材での基礎学習を済ませておくことを条件にしているところもあります。また、プログラミング業務ではなく、ITに関連した営業やサポート業務が中心になるケースもあるため、応募の際には仕事内容や求められるスキルの範囲をよく確認することが大切です。

年収・働き方・自由度の高さが未経験者に人気の理由

ITエンジニアの魅力は、スキルさえあれば年齢や経歴に関係なく評価されやすいという点にもあります。IT業界ではスキルベースでの評価が一般的で、努力次第で比較的早い段階での昇給やキャリアアップも期待できます。実際に、他業種と比べても平均年収が高い傾向があり、将来的な収入の伸びにも大きな可能性があります。

さらに、リモートワークをはじめとする柔軟な働き方を導入している企業が多いのもIT業界の特徴です。家庭や育児との両立を図りたい人や、地方に住みながら東京の案件に関わるような働き方も可能になり、ライフスタイルに合わせたキャリア設計がしやすくなっています。

文系出身・営業経験者でも活かせるスキルとは？

ITエンジニア＝理系出身というイメージは根強いかもしれませんが、実際には文系出身者も多く活躍しています。論理的な思考力や物事を順序立てて整理する力は、プログラミングにも応用できる能力です。また、文書作成やコミュニケーションに強みがある人は、設計書の作成やクライアントとのやり取りにおいて、チームを支える重要な存在になります。

さらに、営業や接客などの経験を持つ人であれば、顧客との折衝スキルや提案力を活かして、プリセールスやITコンサルタントといったキャリアも見据えることができます。技術だけに偏らない総合力こそが、これからのエンジニアに求められているのです。

未経験だからといって不安になる必要はありません。大切なのは、自分の過去の経験の中に活かせる要素を見つけ、エンジニアとしての道にどうつなげていくかを考えることです。これからIT業界を目指す人にとって、それは確かな強みになります。

未経験からITエンジニアになるための5ステップ

未経験からITエンジニアを目指すには、ただ「やってみたい」と思うだけではなく、しっかりとした準備と行動の積み重ねが大切です。IT業界は専門性の高い分野ではありますが、近年では未経験者を受け入れる体制を整えている企業も増えつつあり、誰でも努力次第でチャンスをつかめる環境が整ってきました。

ここでは、ゼロからITエンジニアとして働き始めるために必要な5つのステップを紹介します。それぞれの段階でやるべきことを具体的に解説していくので、「何から始めたらいいかわからない」と悩んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。

• STEP1：まずはIT業界と職種を正しく理解する
• STEP2：自分に合った学習方法を選ぶ（独学／スクール／職業訓練）
• STEP3：アプリ制作やポートフォリオで実績を作る
• STEP4：転職活動を始める【エージェント活用法も紹介】
• STEP5：入社後もスキルアップを続けるマインドが重要

STEP1：まずはIT業界と職種を正しく理解する

ITエンジニアと一口に言っても、その仕事内容や働き方はさまざまです。プログラムを書く開発エンジニアだけでなく、ネットワークやサーバーを支えるインフラ系の仕事、セキュリティやテストを専門にする職種、さらには社内のIT環境を整える社内SEまで、多くの分野に分かれています。

自分に合った方向性を見極めるためには、まず業界の構造や職種の違いを理解することが必要です。最初に選ぶ職種がその後のキャリアに影響を与えることもあるため、「何となく」で選ばず、自分の性格や強みに合った仕事を探しましょう。IT関連の職種を紹介するサイトや、実際に現場で働くエンジニアのインタビュー記事などを読むと、リアルなイメージがつかめます。

STEP2：自分に合った学習方法を選ぶ（独学／スクール／職業訓練）

ITエンジニアになるには、まず基礎的なスキルの習得が欠かせません。とくにプログラミング言語やシステムに関する理解は、どの職種でも求められる共通の知識です。その学び方としては、大きく分けて「独学」「プログラミングスクール」「職業訓練校」の3つの方法があります。

独学はコストを抑えながら自分のペースで学べるメリットがありますが、挫折しやすい点もあります。一方、スクールでは講師のサポートが受けられ、短期間で効率よく習得できるという利点があります。中には就職支援がセットになっているコースもあり、転職までの流れを一貫してサポートしてくれるところもあります。失業中の方であれば、国の支援制度を活用して職業訓練校に通う選択肢もあります。

自分の生活スタイルや予算、モチベーションの維持しやすさなどを踏まえて、最適な学習スタイルを選びましょう。

STEP3：アプリ制作やポートフォリオで実績を作る

未経験者にとって最大のハードルは、「経験がない」という点です。その壁を越えるには、学んだことを実際のアウトプットとして形にすることが効果的です。具体的には、自作のアプリを作ったり、Webサイトを構築したりといった実績をポートフォリオとしてまとめておくと、転職活動での強力なアピール材料になります。

簡単なもので構いません。たとえば、ToDoリストを作るWebアプリや、自己紹介ページなどでもOKです。大切なのは、自分がどんな技術を学び、それをどう形にしたのかを具体的に伝えられるようにすることです。GitHubなどのコード共有サービスを活用すれば、面接時にそのままコードを見せることもできます。

STEP4：転職活動を始める【エージェント活用法も紹介】

ある程度の知識と実績が身についたら、いよいよ転職活動をスタートします。最初の転職では、「未経験OK」と記載された求人を中心に探すのが基本です。とはいえ、求人票だけでは企業の実態が分かりづらいこともあるため、転職エージェントを活用するのも効果的です。

エージェントは、企業の内情や職場環境、教育体制の有無など、求人票には書かれていない情報も教えてくれます。また、応募書類の添削や面接練習、条件交渉なども代行してくれるため、初めての転職に不安がある方には心強い存在です。

もし可能であれば、複数のエージェントに登録して比較してみると、より自分に合ったサポートを見つけやすくなります。

STEP5：入社後もスキルアップを続けるマインドが重要

無事にITエンジニアとして働き始めたあとも、成長を止めない姿勢が大切です。IT業界は技術の変化が激しく、新しい言語やツールが次々と登場します。入社時点での知識に満足してしまうと、数年後にはスキルが時代遅れになってしまうこともあり得ます。

現場での業務を通じて経験を積むのはもちろん、自主的に新しい技術を学ぶ姿勢があるかどうかが、その後のキャリアを大きく左右します。社内で勉強会があれば積極的に参加したり、資格取得を目指したり、技術系のイベントに参加して刺激を受けるのもおすすめです。

エンジニアは「一生勉強」の職種ともいわれますが、その過程を楽しめる人こそが、長く活躍できる人材へと成長していけるでしょう。

30代、40代からITエンジニアになるには？

30代や40代でITエンジニアに転職を考える方は少なくありません。しかし、年齢による不安やキャリアの転換には多くの疑問があります。

この年代からのエンジニア転職は、適切な準備と戦略が必要です。経験豊富な年代だからこそ、独自の強みを活かし、新たなキャリアを築くことが可能です。

• 年代別のエンジニア転職事情と挑戦のヒント
• エンジニアの年収と将来性
• 『やめとけ』と言われる理由とは？対策あり

年代別のエンジニア転職事情と挑戦のヒント

30代、40代の転職市場は、若年層とは異なる特徴を持っています。経験やスキルが重視されるため、これまでのキャリアをどのように活かせるかが鍵となります。

例えば、マネジメント経験や業界知識は、エンジニアとしての価値を高める要素です。また、新しい技術を学ぶ意欲も重要です。

プログラミングスクールやオンラインコースを利用し、最新の技術を学ぶことで、市場価値を高めることができます。

エンジニアの年収と将来性

ITエンジニアの年収は、スキルや経験、勤務地によって大きく異なります。

一般的に、技術力が高いほど、また、需要の高い分野に携わるほど年収は上昇傾向にあります。

さらに、IT業界は今後も成長が見込まれており、将来性は非常に高いと言えます。特に、AIやデータ分析などの先端技術を扱えるエンジニアは、高い需要が期待されます。

『やめとけ』と言われる理由とは？対策あり

30代、40代でのITエンジニアへの転職には、多くの挑戦が伴います。技術の急速な進化に追いつく必要があること、また、若年層との競争があることなど、不安要素は少なくありません。

しかし、これらの課題には対策が可能です。例えば、継続的な学習と実践を通じて、最新の技術を身につけることが重要です。また、自身の経験を生かした業務への応用や、コミュニケーション能力を活かしたチームワークも、成功のカギとなります。

このように、30代、40代からのITエンジニアへの転職は、適切な準備と戦略によって、成功へと導くことが可能です。自身の強みを理解し、市場の需要に応じたスキルを身につけることで、新たなキャリアを築くことができるでしょう。

未経験者に求められるスキルと、エンジニアに向いている人の特徴

ITエンジニアは、専門職でありながらも未経験からの挑戦が可能な数少ない職種の一つです。しかし、「未経験歓迎」と書かれている求人に飛び込めば誰でもなれるというわけではありません。エンジニアという職業には、仕事を通じて磨かれるスキルだけでなく、そもそも備えておきたい資質や考え方があります。

この章では、エンジニアとして求められる基本的なスキルや、長く続けていくうえで重要となる姿勢、さらにはエンジニアに向いている人の特徴を具体的に紹介します。あわせて、未経験者が陥りやすい「何も知らなくても大丈夫」という誤解にも触れ、現実的な準備の必要性についてもお伝えしていきます。

• エンジニアに必要な基本スキル（プログラミング・論理的思考・コミュ力）
• 継続学習・忍耐力・地道さが重要な理由
• 自分にエンジニア適性があるかを見極めるチェックポイント
• よくある誤解：「未経験＝ゼロ知識OK」ではない現実

エンジニアに必要な基本スキル（プログラミング・論理的思考・コミュ力）

ITエンジニアにとっての基本スキルといえば、まず思い浮かぶのがプログラミングスキルです。これは、プログラムを書く職種でなくても、システムの仕組みや開発の流れを理解するうえで土台となる知識です。最初から高度なレベルは必要ありませんが、HTMLやPython、JavaScriptなど、何らかの言語を学び始める姿勢は重要です。

また、物事を筋道立てて考える力、いわゆる論理的思考力も不可欠です。たとえば、エラーが出たときに原因を特定し、ひとつずつ仮説を立てて試していくプロセスには、論理的な視点が求められます。これは、特別な才能ではなく、日々の学習や問題解決を通じて身についていくものです。

さらに、意外に思われるかもしれませんが、コミュニケーション能力も非常に重要です。エンジニアは一人で完結する仕事ではなく、チームで動くことが大半です。仕様の確認や、開発中の共有、クライアントとの打ち合わせなど、言葉で意思疎通を図る場面は頻繁にあります。専門用語ばかりではなく、相手に伝わるように説明できるスキルがあると、信頼されるエンジニアへと成長できます。

継続学習・忍耐力・地道さが重要な理由

IT業界の技術は、日々アップデートされ続けています。今日習得した知識が、数年後には通用しなくなるということも珍しくありません。だからこそ、新しい情報に対して敏感であり、学び続ける姿勢を持つことがエンジニアとして長く活躍するためには不可欠です。

一方で、システム開発の現場では、なかなか思い通りにいかないことも多々あります。プログラムがうまく動作しない、エラーの原因が見つからない、プロジェクトの進行が遅れる……こうした壁に直面したときに必要になるのが、粘り強く取り組む忍耐力です。

また、エンジニアの仕事は、見た目には華やかではない、地道な作業の積み重ねです。コーディングを一行ずつ丁寧に書き、動作確認を繰り返し、テスト結果を記録して改善していく。こうした作業をコツコツ続けられる人こそが、信頼されるエンジニアとして評価されていきます。

自分にエンジニア適性があるかを見極めるチェックポイント

エンジニアに向いているかどうかを判断する材料として、以下のような項目を考えてみるとよいでしょう。

• 新しい知識や技術を知るのが好き
• 分からないことがあっても自分で調べてみようと思える
• 問題があってもすぐに諦めず、解決方法を探したくなる
• 地味な作業でも丁寧にこなすのが苦にならない
• 一人で黙々と作業するより、チームで協力し合うのが好き

これらに多く当てはまる場合、未経験であってもエンジニアの適性がある可能性は高いです。逆に、短期的な成果を求めすぎるタイプや、変化の速い環境が苦手な場合は、働き方を慎重に選ぶ必要があるかもしれません。

よくある誤解：「未経験＝ゼロ知識OK」ではない現実

未経験からITエンジニアを目指す人の中には、「知識がまったくなくても、やる気さえあれば採用される」と思い込んでしまう方が少なくありません。しかし、実際のところ企業が求める「未経験可」とは、「実務経験がなくても、一定の基礎知識がある人」という意味合いを含んでいることがほとんどです。

たとえば、HTMLの基本がわかる、簡単なアプリを自作したことがある、GitHubにコードを上げている、といった小さな実績でも、それが転職活動での大きな武器になります。完全にゼロからスタートするよりも、事前に少しでもIT分野に触れておくことが、エンジニア転職の成功率を大きく高めるポイントです。

やる気やポテンシャルも確かに大切ですが、それだけで勝負できる時代ではありません。自分がどの程度の知識やスキルを持っているかを客観的に見つめ、必要な準備を重ねていくことが、未経験からのスタートを実現するための確実な近道となるでしょう。

未経験からITエンジニアになるには？まとめ

未経験からITエンジニアを目指すことは、決して夢物語ではありません。実際に多くの企業が未経験者のポテンシャルに期待し、採用の門戸を開いています。ただし、成功するためには、やみくもに求人に応募するのではなく、事前の準備や学習が重要になります。

まずはITエンジニアという仕事の全体像を理解し、自分が興味を持てる職種を見つけることが出発点です。そのうえで、プログラミングや論理的思考力、コミュニケーションといった基本スキルを少しずつ身につけていきましょう。

また、エンジニアとして長く活躍するには、地道な努力を続ける姿勢や新しい技術への関心、課題に向き合う粘り強さも欠かせません。これらは特別な才能ではなく、日々の積み重ねによって育まれるものです。

これからITエンジニアを目指したいと考えている方は、今回の記事を参考に、自分に合った学習方法や転職活動の進め方を考えてみてください。最初の一歩を踏み出せば、スキルと経験を重ねながら、将来の選択肢をどんどん広げていくことができるはずです。