クラウドエンジニアが楽しいと言われる5つの理由と平均年収596万円の実態

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近年では、多くの企業がITシステムの基盤としてクラウドサービスを採用しており、それに伴ってクラウド技術を扱う専門家であるクラウドエンジニアの需要も急速に高まっています。

クラウドエンジニアという職種は、最新技術に触れながら企業のデジタル変革を支援できる、やりがいに満ちた仕事です。しかし、「クラウドエンジニアはどんな人に向いていますか？」「インフラエンジニアに向かない人は？」「クラウドエンジニアの平均年収は？」「クラウドエンジニアが使うプログラミング言語は？」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、なぜクラウドエンジニアが楽しいのか、その魅力や年収、必要な資格、将来性について詳しく解説します。インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違いや、インフラエンジニアの今後、ロードマップ、「やめとけ」と言われる理由の真相まで、現役エンジニアの声やQiitaなどの情報を交えながら、クラウドエンジニアの実態に迫ります。

記事のポイント

クラウドエンジニアの魅力と楽しさの理由を現場目線で解説
向いている人・向いていない人の特徴を具体的に説明
年収や待遇、キャリアパスの実態を数値で示す
必要なスキルや資格、学習ロードマップを提示

クラウドエンジニアが楽しいと感じる魅力

クラウドエンジニアという職種は、技術革新の最前線で活躍できる魅力的な仕事です。インフラはITの土台となる部分であり、特にIT業界にいる限りは、強みになるでしょう。単なる技術職にとどまらず、ビジネスの成長を直接支援できる点が、多くのエンジニアを惹きつけています。

クラウドエンジニアの魅力と将来性
クラウドエンジニアはどんな人に向いていますか？
クラウドエンジニアが使うプログラミング言語は？
クラウドエンジニアの年収と待遇の実態
クラウドエンジニアになるためのロードマップ
Qiitaなどで見る現役エンジニアの声

クラウドエンジニアの魅力と将来性

クラウドエンジニアとは、クラウドコンピューティング技術を活用して、企業のITインフラを設計・管理するエンジニアのことです。その魅力は、技術的な側面だけでなく、キャリアとしての可能性の広さにもあります。

まず最大の魅力は、最先端技術に常に触れられることです。クラウドエンジニアには、常に最新のクラウド技術やクラウドサービス、関連するツールなどを使用する機会があります。AWS、Azure、Google Cloudなどのプラットフォームは日々進化しており、新しいサービスや機能が次々とリリースされています。これらを学び、実際のプロジェクトで活用することで、エンジニアとしての成長を実感できます。

また、社会的影響力の大きさも魅力の一つです。近年では、クラウドサービスはすでに社会を支える重要なインフラのひとつです。企業のDX推進において中心的な役割を担い、ビジネスの成功に直接貢献できる点は、大きなやりがいにつながります。

将来性については、総務省がまとめた令和２年度情報通信白書のポイントによると、2015年の時点でクラウドサービスを一部でも利用している企業は44.5%でしたが、2019年には64.7%まで上昇しています。この傾向は今後も続くと予想され、クラウドエンジニアの需要はますます高まることが確実視されています。

さらに、様々なキャリアに応用が利く点も見逃せません。クラウドエンジニアとして培った知識やスキルは、プリセールス、コンサルタント、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな職種への転身時にも活かすことができます。

クラウドエンジニアはどんな人に向いていますか？

クラウドエンジニアに向いている人の特徴を理解することは、キャリア選択において重要です。最新技術への学習意欲が高い人は、特にこの職種に適しています。

第一に、技術への好奇心が旺盛な人が向いています。知的好奇心が旺盛な人は、苦にならず継続的な学習ができるため、クラウドエンジニアに向いています。クラウド技術は進化が速く、常に新しい知識を吸収する必要があるため、学習を楽しめる人にとっては理想的な職種です。

次に、問題解決が好きな人も適性があります。技術的な課題を解決するのが好きで、粘り強く取り組むことができる人は、クラウドエンジニアに向いています。システムトラブルや性能問題など、日々さまざまな課題に直面しますが、それらを解決する過程に喜びを見出せる人は、この仕事を楽しめるでしょう。

コミュニケーション能力も重要な要素です。社内外の人と接する機会が多いクラウドエンジニアは、人と接することが好きな人に向いているITエンジニア職です。顧客との打ち合わせやチーム内での協働など、技術力だけでなく対人スキルも求められます。

柔軟性も欠かせません。多様なプラットフォームに柔軟に対応する能力が求められます。AWS、Azure、Google Cloudなど、複数のクラウドプラットフォームを使い分ける必要があるため、新しい環境に適応できる柔軟性が必要です。

一方で、グローバルな視野を持つことも大切です。クラウドサービスは世界中で利用されており、国の境界があいまいです。最新情報の多くは英語で発信されるため、英語に抵抗がない人はより多くの情報にアクセスでき、キャリアの可能性が広がります。

クラウドエンジニアが使うプログラミング言語は？

クラウドエンジニアが使用するプログラミング言語は、担当する業務や使用するクラウドプラットフォームによって異なりますが、いくつかの主要な言語があります。

Pythonは最も重要な言語の一つです。自動化スクリプトの作成やインフラストラクチャのコード化（Infrastructure as Code）において広く使用されています。AWS LambdaやGoogle Cloud Functionsなどのサーバーレスアーキテクチャでも、Pythonは第一選択となることが多いです。

JavaScriptとNode.jsも重要な位置を占めています。特にサーバーレスアプリケーションの開発や、クラウドネイティブなWebアプリケーションの構築において欠かせません。フロントエンドとバックエンドの両方で使用できる汎用性の高さが魅力です。

インフラストラクチャの管理においては、HashiCorp Configuration Language（HCL）も重要です。Terraformを使用したインフラの自動化では、HCLの理解が必須となります。これにより、クラウドリソースをコードとして管理し、バージョン管理や再現性のある環境構築が可能になります。

言語選択の基準

用途推奨言語理由自動化スクリプトPython, Bash豊富なライブラリと簡潔な記述サーバーレス開発Python, Node.js, Go軽量で高速な実行環境インフラ管理HCL (Terraform), YAML宣言的な記述と可読性コンテナ化Go, PythonKubernetesとの親和性

また、シェルスクリプト（Bash）の知識も不可欠です。Linux環境での操作や自動化において、基本的なシェルスクリプトが書けることは、クラウドエンジニアとして必須のスキルです。

最近では、GoやRustといった言語も注目されています。特にGoは、Kubernetesをはじめとする多くのクラウドネイティブツールで採用されており、パフォーマンスが要求される場面で活躍します。

クラウドエンジニアの年収と待遇の実態

クラウドエンジニアの年収は、他のIT職種と比較して高水準にあります。「求人ボックス」の給料ナビによると、クラウドエンジニアの平均年収は約596万円（2022年3月現在）となっています。これは国税庁によると日本の平均年収は443万円と比較すると、約150万円高い水準です。

経験年数による年収の推移を見ると、初級レベルで400～500万円、中級レベルで500～700万円、上級レベルでは700万円以上が相場となっています。特に、複数のクラウドプラットフォームに精通したマルチクラウドエンジニアや、セキュリティ専門知識を持つエンジニアは、さらに高い年収を期待できます。

給料が比較的上げやすい点があげられます。その理由として、需要と供給のバランスが挙げられます。クラウド技術の急速な普及に対して、専門知識を持つエンジニアの数が不足しているため、市場価値が高まっています。

待遇面でも優遇される傾向があります。クラウドエンジニアは在宅で働くことが可能な職種です。リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業が多く、ワークライフバランスを重視する働き方が可能です。

外資系企業での機会も豊富です。外資系企業はインフラがわかると応募できるポジションが増えます。AWS、Microsoft、Googleなどの大手クラウドベンダーをはじめ、多くの外資系IT企業がクラウドエンジニアを積極的に採用しており、グローバルなキャリアを築くチャンスが広がっています。

クラウドエンジニアになるためのロードマップ

クラウドエンジニアになるためには、体系的な学習と実践が必要です。クラウドエンジニアになるまでのロードマップと学習方法、必要なスキルも合わせて解説します。

初心者の場合、まずIT基礎知識の習得から始めることが重要です。ネットワーク、サーバー、データベースなどの基本概念を理解し、LinuxやWindowsサーバーの基本操作を身につけます。この段階では、基本情報技術者試験の学習が効果的です。

次のステップとして、クラウドプラットフォームの学習に進みます。AWS、Azure、Google Cloudのいずれかを選び、無料枠を活用して実際に触れながら学習します。公式ドキュメントやオンライン学習プラットフォームを活用し、基礎的なサービスから順に理解を深めていきます。

実践的なスキルの習得では、以下の順序で学習を進めることを推奨します。

仮想化技術の理解: VMwareやDockerなどの基本概念
ネットワーキング: VPC、サブネット、セキュリティグループの設定
コンピューティング: EC2、Azure VM、Compute Engineの管理
ストレージ: S3、Blob Storage、Cloud Storageの活用
データベース: RDS、Azure Database、Cloud SQLの運用

インフラエンジニアからクラウドエンジニアを目指す場合、IT業界である程度の経験を積んでいるので全く未経験な状態と比較すればある程度有利に働きます。既存のインフラ知識を活かしながら、クラウド特有の概念やサービスを学習することで、効率的にスキルアップできます。

資格取得も重要なマイルストーンです。AWS認定ソリューションアーキテクト・アソシエイトなどの入門レベルの資格から始め、段階的に上位資格を目指します。資格学習を通じて体系的な知識を身につけることができます。

Qiitaなどで見る現役エンジニアの声

実際にクラウドエンジニアとして働く人々の声を聞くことは、この職種の実態を理解する上で重要です。技術共有サイトQiitaや各種ブログでは、現役エンジニアが日々の業務や学習について情報発信しています。

AWSやGCPといったクラウドを中心としたインフラ周りのエンジニアになってから、3年が経過しました。といった経験談からは、実際の成長過程や直面した課題、それらをどのように乗り越えたかが具体的に語られています。

多くのエンジニアが共通して語るのは、技術の進化の速さへの対応です。新しいサービスや機能が頻繁にリリースされるため、継続的な学習が必要ですが、それを「大変」ではなく「刺激的」と捉える声が多く見られます。

現場の声として特に多いのは、問題解決の達成感についてです。システム障害を解決したり、パフォーマンスを改善したりした際の充実感は、この仕事の大きな魅力として語られています。また、顧客から感謝されることも、モチベーションの源泉となっているようです。

もし本記事を読む誰かの今後のキャリアの参考になれば幸いです。という言葉に代表されるように、多くのクラウドエンジニアが後進の育成にも積極的で、コミュニティ全体で知識を共有し、互いに成長しようとする文化があります。

働き方の自由度についても肯定的な意見が多く見られます。クラウド上でできる仕事がほとんどのため、子育てしながらリモートで仕事と家庭を両立されている方、外資にチャレンジする方、フリーランスになり、自身の事業にチャレンジする方、日本を出て海外で仕事をする方など、色んな人生を実現することが可能という声は、この職種の柔軟性を物語っています。

クラウドエンジニアが楽しい理由とキャリアパス

クラウドエンジニアという職種が楽しいと感じられる理由は、技術的な充実感だけでなく、多様なキャリアパスの存在にもあります。インフラエンジニアからの転身や、新たなスキルセットの獲得など、成長の機会が豊富にあることが、多くのエンジニアを惹きつけています。

インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違い
インフラエンジニアに向かない人は？
インフラエンジニアの今後とクラウドの展望
やめとけと言われる理由と実際の現場
クラウドエンジニアの平均年収は？
クラウドエンジニアに役立つ資格

インフラエンジニアとクラウドエンジニアの違い

クラウドエンジニアとインフラエンジニアは、どちらもITシステムのインフラに関連した職種ではありますが、取り扱うインフラの種類や管理方法が大きく異なります。この違いを理解することは、キャリアパスを考える上で重要です。

最も大きな違いは、物理的な機器を扱うかどうかです。インフラエンジニアは、データセンターや企業のサーバールームなどで、物理サーバーやネットワーク機器などを直接使用してインフラの設計や構築、管理を行います。一方、クラウドエンジニアが実際にデータセンターに行って作業することはなく、インターネットを通じてクラウドベンダーが提供する管理ツールなどを使って開発を行います。

業務内容の違いも顕著です。インフラエンジニアは、サーバーのラッキングやケーブリング、ハードウェアの交換など、物理的な作業が含まれます。これに対して、クラウドエンジニアは、仮想リソースの管理やクラウドサービスの設定、自動化スクリプトの作成など、ソフトウェア的なアプローチが中心となります。

必要なスキルセットにも違いがあります。インフラエンジニアには、ハードウェアの知識や物理的なネットワーク構成の理解が必要ですが、クラウドエンジニアには、クラウドプラットフォーム特有のサービスやAPI、自動化ツールの知識が求められます。

ただし、両者の境界は曖昧になりつつあります。クラウド技術の急速な普及により、インフラエンジニアからクラウドエンジニアへのステップアップは、非常に需要の高いキャリアパスとなっています。多くのインフラエンジニアがクラウド技術を学び、ハイブリッドな環境を管理できるエンジニアへと進化しています。

インフラエンジニアに向かない人は？

インフラエンジニアに向かない人の特徴を理解することは、自身のキャリア選択において重要な判断材料となります。これらの特徴は、クラウドエンジニアを目指す際にも参考になります。

まず、新技術を学ぶのが苦手、または技術変化に対応する柔軟性がない人は、クラウドエンジニアには向いていません。インフラ技術は常に進化しており、新しいツールや手法を継続的に学ぶ必要があります。学習を負担と感じる人には、この職種は適していないでしょう。

次に、協調性が低い人には難しいです。インフラエンジニアは、開発チームや運用チーム、時には顧客とも密接に連携する必要があります。単独で作業することを好み、チームワークを苦手とする人は、業務遂行に困難を感じる可能性があります。

解決志向が弱い人には難しいです。システムトラブルは予期せぬタイミングで発生し、迅速な対応が求められます。問題に直面した際に諦めやすい人や、原因究明を面倒と感じる人は、この仕事でストレスを感じやすいでしょう。

また、仕事のプレッシャーに耐えられない人も向いていません。インフラは企業活動の基盤であり、障害が発生すると大きな影響を与えます。この責任の重さをプレッシャーと感じ、精神的な負担となる人には適さない職種です。

さらに、休日出勤が嫌な人も考慮が必要です。システム障害は24時間365日いつでも発生する可能性があり、緊急対応が必要な場合があります。プライベートを最優先したい人には、ストレスの原因となるでしょう。

インフラエンジニアの今後とクラウドの展望

インフラエンジニアという職種の将来は、クラウド技術の進化と密接に関連しています。近年浸透している考え方として、クラウドファーストが前提でクラウドネイティブへの移行という流があります。この流れは、インフラエンジニアの役割を大きく変化させています。

従来のオンプレミス中心のインフラ管理から、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド環境の管理へとシフトしています。これにより、インフラエンジニアには、両方の環境を理解し、最適な構成を設計できる能力が求められるようになりました。

クラウドエンジニアの需要は、AmazonのAWS、MicrosoftのAzure、GoogeのGCPといったIaaSパブリッククラウドを導入する企業が拡大するにつれて増加すると言えます。この傾向は今後も続くと予想され、インフラエンジニアがクラウド技術を習得することは、キャリアの継続性を確保する上で不可欠となっています。

新たな技術トレンドも、インフラエンジニアの役割を拡大しています。コンテナ技術やKubernetes、サーバーレスアーキテクチャ、エッジコンピューティングなど、インフラの概念自体が進化し続けています。これらの技術を理解し、適切に活用できるエンジニアの需要は高まる一方です。

自動化の進展も重要な要素です。Infrastructure as Code（IaC）の普及により、インフラ管理はよりプログラマティックなアプローチへと移行しています。TerraformやAnsibleなどのツールを使いこなし、インフラをコードとして管理できるスキルは、今後ますます重要になるでしょう。

セキュリティの重要性も増しています。クラウド環境でのセキュリティ管理は、従来のオンプレミス環境とは異なるアプローチが必要です。Zero Trust Security、Cloud Security Posture Management（CSPM）など、新しいセキュリティ概念を理解し、実装できるエンジニアは高く評価されます。

やめとけと言われる理由と実際の現場

「クラウドエンジニアはやめとけ」という声を聞くことがありますが、その理由と実際の現場の状況には大きなギャップがあることが多いです。クラウドエンジニアはきつい、しんどいと一度は耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか？

クラウドエンジニアがきついと言われる理由は、資格、スキル習得が大変だからです。確かに、AWS認定資格やAzure認定資格など、習得すべき知識は膨大です。しかし、これを「大変」と捉えるか「成長の機会」と捉えるかは、個人の価値観によります。

障害発生時の対応が大変という点も指摘されます。確かに、システム障害時には迅速な対応が求められ、時には深夜や休日の対応も必要です。しかし、多くの企業では輪番制やオンコール手当など、負担を軽減する仕組みが整備されています。

最新情報を学び続けなければならないことも、「きつい」理由として挙げられます。クラウドサービスは頻繁にアップデートされ、新機能がリリースされます。しかし、これを楽しめる人にとっては、むしろ魅力的な要素となります。

実際の現場では、これらの「きつい」要素を上回るメリットが存在します。クラウドエンジニアの需要は今後ますます高くなると予測されています。高い需要は、好待遇や豊富なキャリア選択肢につながります。

また、在宅で働くことが可能な職種です。リモートワークの普及により、通勤時間の削減やワークライフバランスの改善が実現できています。これは、「きつい」というイメージとは対照的な働き方です。

結局のところ、「やめとけ」と言われる理由の多くは、個人の適性や価値観によるものです。技術への情熱があり、継続的な学習を楽しめる人にとっては、クラウドエンジニアは非常に魅力的な職種といえるでしょう。

クラウドエンジニアの平均年収は？

クラウドエンジニアの年収について、より詳細に見ていきましょう。dodaの「平均年収ランキング」（2024年版）では、クラウドエンジニアという分類はありませんが、専門領域が比較的近い職種の2024年12月時点の平均年収から、クラウドエンジニアの位置づけを理解できます。

関連職種の年収比較を見ると、以下のような状況です。

職種	平均年収
SE／プログラマ	425万円
Webサービスエンジニア	446万円
ネットワークエンジニア	447万円
サーバーエンジニア	464万円
システム開発／運用	489万円
セキュリティエンジニア	477万円

近年、クラウドエンジニアの市場価値は急速に高まっているため、これらの職種よりも高いか、少なくとも同程度の水準の年収が期待できるでしょう。実際、求人サイトの情報では、クラウドエンジニアの平均年収は600万円前後となっており、他のIT職種と比較して高水準です。

経験やスキルレベルによる年収の違いも顕著です。エントリーレベルでは400万円台からスタートしますが、3年以上の経験を積むと600万円を超えることが一般的です。特に、マルチクラウド環境の設計・構築ができるエンジニアや、DevOpsの実践経験がある人材は、700万円以上の年収を得ることも珍しくありません。

アメリカ合衆国では、クラウドエンジニアはどのように評価されているのでしょうか。米国の状況を見ると、「Cloud Engineer」の年収は平均で129,466ドル（約1,963万円）となっており、日本との差は歴然としています。これは、グローバル市場でのクラウドエンジニアの価値の高さを示しています。

フリーランスとして活動する場合、さらに高い収入が期待できます。月単価80万円〜120万円の案件も多く、年収換算では1,000万円を超えるケースも珍しくありません。ただし、フリーランスには安定性の面でのリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

クラウドエンジニアに役立つ資格

クラウドエンジニアとしてのキャリアを築く上で、資格取得は重要なステップです。AWS認定者試験は、基礎レベル、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベル、専門知識の4つの区分け、11種類の認定資格になっています。

AWS認定資格は最も人気が高く、実務でも直接活かせる資格です。初心者には「AWS Certified Cloud Practitioner」から始めることをお勧めします。クラウドの概念やAWSのサービスに関する基礎的な知識や用語の理解を証明でき、その後のキャリアの土台となります。

中級者向けには「AWS Certified Solutions Architect – Associate」があります。AWS上でスケーラブルかつ冗長性の高いシステムを設計するための知識を問われ、実務で必要なスキルを体系的に学べます。

Microsoft Azure認定資格も重要性を増しています。Microsoft Azure認定資格は、Microsoft Azureクラウドプラットフォームのスキルと知識を証明するための資格です。「Azure Fundamentals」から始め、段階的にスキルアップしていくことができます。

Google Cloud認定資格は、特にデータ分析や機械学習に興味がある人に適しています。Google Cloud認定資格は分野ごとにいくつかの資格試験に分かれており、各分野でクラウド分野の専門知識や、サービスの設計・実装・管理に必要なスキルが問われます。

クラウド以外の資格も重要です。Linux技術者認定 LinuCはLinuxオペレーティングシステム（OS）に関するスキルと知識を証明するための資格です。クラウド環境の多くがLinuxベースであるため、この知識は実務で大いに役立ちます。

セキュリティ関連では、CCSP（Certified Cloud Security Professional）認定試験は、クラウドセキュリティの専門知識とスキルを証明するための資格です。クラウドセキュリティへの関心が高まる中、この資格の価値は上昇しています。

資格取得の順序としては、まず基礎レベルの資格から始め、実務経験を積みながら上位資格を目指すことが効果的です。資格学習と実務を並行して進めることで、理論と実践の両面からスキルを深めることができます。