「Webデザイナーになりたいけど、スクールの受講料が高すぎて手が出ない…」そんなふうに諦めかけていませんか?数十万円もする受講費は、誰にとっても大きなハードルですよね。でも、ちょっと待ってください。実は、国が用意している「教育訓練給付制度」や「リスキリング補助金」といった支援策をうまく活用すれば、その費用の負担を劇的に、場合によっては半額以下にまで抑えられる可能性があるんです。
とはいえ、いざ自分で調べようとすると、「教育訓練給付制度 webデザイン」というキーワード以外にも、「職業訓練」「高等職業訓練促進給付金」「求職者支援訓練」など、似たような難しい言葉が次々と出てきて、頭がパンクしそうになってしまいますよね。ネット上の掲示板やSNSでは「職業訓練のWebデザイナーはやめとけ」なんていう、ドキッとするようなネガティブな口コミも見かけて、余計に不安になっている方もいるかもしれません。
この記事では、未経験からWebデザインやWebライターのスキル習得を目指すあなたが、情報の波にのまれることなく、自分にピッタリの支援制度を自信を持って選べるようにサポートします。給付金を受け取るための細かい条件から、対象となる講座の探し方、申請手続きの落とし穴まで、現場の視点を交えて徹底的にわかりやすく整理しました。
- 育訓練給付制度の3つの区分(一般・特定・専門実践)とWebデザイン講座での具体的な受給額シミュレーション
- 話題の「リスキリング補助金」や「職業訓練」など、他制度との決定的な違いと賢い選び方
- Webデザイナーを目指す際に知っておくべき、給付金申請の絶対条件とスケジュール感
- 「後から貰えないとわかった!」を防ぐために、受講前に必ず確認すべきチェックポイント
教育訓練給付制度でWebデザインを学ぶ基礎知識

まずは、Webデザインスキルの習得において最も基本かつ王道となる「教育訓練給付制度」の仕組みについて、深掘りしていきましょう。この制度は、働く私たちが主体的にスキルアップに取り組むことを国がバックアップし、雇用の安定や再就職を促進するために設けられているものです。雇用保険を財源としているため、会社員として働いている方にとっては「使わないと損」な権利とも言えます。自分がどのくらい給付を受けられるのか、その条件と金額のイメージを具体的に掴んでおきましょう。
Webデザイン教育訓練給付金の条件を解説

教育訓練給付制度を利用できるかどうか、その運命を分ける最大の鍵は「雇用保険の加入期間(被保険者期間)」です。「自分は対象なのかな?」と不安な方も多いと思いますが、基本のルールさえ押さえれば大丈夫です。
加入期間の「3年ルール」と「1年特例」
原則として、雇用保険の被保険者期間が通算で3年以上あることが受給の条件です。しかし、「まだ社会人になったばかりだし…」という方も安心してください。この制度を初めて利用する方に限り、期間が1年以上あればOKという特例措置があります。
これは、キャリアの浅い20代の若手や、異業種からWeb業界へ初めて挑戦しようとする方にとっては非常に大きなチャンスです。例えば、新卒で入社した会社を1年ちょっとで辞めてWebデザインの勉強を始める場合でも、この特例のおかげで給付金を受け取れる可能性が高いのです。
離職後「1年以内」ならチャンスあり
「今はもう会社を辞めて無職だから無理かも」と思っている方、諦めるのはまだ早いです。この制度は、現在在職中の方はもちろんですが、離職してから1年以内の方も対象になります。ハローワークで失業給付(失業保険)の手続きをしている最中でも、この教育訓練給付金は別に申請して利用することができるんです。
妊娠・出産等による期間延長 もし、妊娠、出産、育児、病気や怪我などで、離職後すぐに教育訓練を受けられない事情がある場合は、ハローワークに申請することで、適用対象期間を最大20年まで延長可能です。「今は子育てに専念したいけど、落ち着いたらWebデザインを学びたい」という方は、離職後早めに期間延長の手続きだけ済ませておくと安心ですよ。
パート・アルバイト・派遣社員の方へ
「正社員じゃないから関係ない」と思っていませんか?雇用保険に加入していれば、パートやアルバイト、派遣社員の方も当然この制度を利用できます。週20時間以上の勤務などの条件を満たして雇用保険料を払っていた期間があれば、それは立派な被保険者期間としてカウントされます。ご自身の加入履歴が不明な場合は、ハローワークで「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会」を行えば正確な期間がわかります。
給付金対象の講座区分と受講費用の目安

教育訓練給付制度と一口に言っても、実は講座のレベルや目的に応じて3つのランク(区分)に分かれています。Webデザインスクールの講座も、この区分のどこに指定されているかによって、戻ってくるお金(給付率)が大きく変わります。
| 区分 | 給付率 | 上限額 | Webデザイン講座の傾向 |
|---|---|---|---|
| ①一般教育訓練 | 20% | 10万円 | Webデザイン基礎、Photoshop/Illustrator講座、Web担当者育成コースなど |
| ②特定一般教育訓練 | 40% | 20万円 | 即戦力スキル重視の講座、国家資格対策を含むコースなど |
| ③専門実践教育訓練 | 最大70% | 年間上限40万円 (最大168万円) | 職業実践専門課程、第四次産業革命スキル習得講座など高度なプログラム |
①一般教育訓練(多くのスクールがここ!)
Webデザインスクールの多くは、この「一般教育訓練」に指定されています。給付率は受講費用の20%です。 【シミュレーション】 例えば、受講料30万円のWebデザインコースを受講する場合、修了後にハローワークから6万円が支給されます。実質負担額は24万円です。「たった2割?」と思うかもしれませんが、数万円が戻ってくるだけでも、PC周辺機器の購入やAdobeソフトの契約費用に充てられるので助かりますよね。
②特定一般教育訓練(コスパ良しの狙い目)
速効性のある再就職支援を目的とした区分で、給付率は40%にアップします。 【シミュレーション】 受講料40万円の講座なら、16万円が戻ってきます。実質負担は24万円。一般教育訓練と比べて自己負担を大幅に抑えられます。Webデザイン関連では数は多くありませんが、見つけたらラッキーな区分と言えるでしょう。
③専門実践教育訓練(本気ならこれ一択)
中長期的なキャリア形成を目指すための区分で、最も手厚い支援が受けられます。詳しくは次のセクションで解説しますが、最大70%の給付は強烈なインパクトがあります。 【シミュレーション】 受講料80万円の本格的なエンジニアリングコースでも、条件を満たせば最大56万円が支給され、実質負担は24万円で済みます。高額な講座ほど恩恵が大きくなる仕組みです。
多くのWebデザインスクールの料金や特徴を比較したい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
webデザインスクールおすすめランキング比較!料金や特徴を徹底解説
Web分野の専門実践教育訓練給付金の魅力

もしあなたが、「趣味レベルではなく、プロのWebデザイナーやフロントエンドエンジニアとして転職し、長く活躍したい」と本気で考えているなら、「専門実践教育訓練給付金」の活用を最優先で検討してください。この区分は、国が「これからの日本の産業に必要不可欠な高度スキル」と認めた講座だけが指定されており、Web・IT分野はその筆頭格です。
最大70%支給の「二段階ロケット」方式
この給付金の最大の特徴は、支給タイミングが二段階に分かれていることです。
- 第1段階(受講中~修了時): 受講費用の50%が支給されます。6ヶ月ごとの申請により支払われるため、受講期間が長い場合でも途中で給付を受け取れるのが嬉しいポイントです。
- 第2段階(就職後): 講座を修了し、かつ修了から1年以内に被保険者として雇用(就職)された場合、さらに追加で20%が支給されます。これで合計70%です。
つまり、単に「勉強した」だけでは50%止まりですが、「勉強して就職した」という結果を出すことで、満額の70%を受け取れる仕組みになっています。これは国からの「学んだスキルを活かして働いてほしい」という強いメッセージでもあります。
対象講座のレベルが高い
専門実践教育訓練の対象となっているWebデザイン講座は、カリキュラムの質が違います。単にPhotoshopの使い方を覚えるだけでなく、HTML/CSS、JavaScript、PHPといったプログラミング言語、さらにはUI/UXデザインやディレクション論まで踏み込んだ内容が含まれていることが多いです。いわゆる「Reスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座)」として経済産業大臣の認定を受けた講座もここに含まれます。
手続きは計画的に! 専門実践教育訓練を利用するには、受講開始の1ヶ月前までに、ハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、「ジョブ・カード」を作成して提出する必要があります。思い立ってすぐに申し込めるわけではないので、最低でも受講希望日の2ヶ月前には動き出す必要があります。
Webライターも教育訓練給付制度の対象

「デザインセンスには自信がないけど、文章を書くのは好きだからWebライターに興味がある」という方もいるでしょう。あるいは、「Webデザイナーとして差別化するために、ライティングスキルも身につけたい」というニーズも増えています。実は、Webライター向けの講座も教育訓練給付制度の対象になり得ます。
「Webライティング単体」の講座は少ない?
現状、Webライティング”のみ”を教える講座で、教育訓練給付制度(特に一般教育訓練以上)の指定を受けているものは、Webデザイン講座に比べると数は少なめです。しかし、諦める必要はありません。戦略的な選び方があります。
「Webデザイン + ライティング」のセット受講が最強
狙い目は、Webデザインコースの中にライティングやWebマーケティングのカリキュラムが含まれている講座です。Web制作の現場では、きれいなデザインを作るだけでなく、「売れるための文章(セールスライティング)」や「検索で上位に表示させるための構成(SEOライティング)」が書ける人材は極めて重宝されます。
こうした複合的なスキルを学べる講座は、Webデザインスクールの「Web制作コース」や「Webマーケティングコース」として設定されていることが多く、これらは教育訓練給付制度の対象となっているケースが多々あります。つまり、「Webデザイン講座」という名目で受講し、給付金を受け取りながら、その中でライティングスキルもしっかり習得するというのが、最も賢い制度活用の裏ワザと言えるでしょう。
検索時のキーワード工夫
厚生労働省の検索システムで探す際は、「Webライター」というキーワードだけでなく、「Webコンテンツ制作」「Web編集」「Webディレクション」といった関連ワードや、訓練分野コードで「IT・パソコン」系を選択して広く探してみると、思わぬ良質な講座に出会えるかもしれません。
指定講座の検索方法と申請手続きの注意点

「このスクールに通いたい!」と思っても、その講座が給付金の対象でなければ意味がありません。また、対象だと思って申し込んだのに、手続きミスで1円も貰えなかった…なんて悲劇は絶対に避けたいですよね。ここでは、確実な検索方法と申請のポイントを解説します。
「教育訓練給付制度 検索システム」を使いこなす
スクールの公式サイトやパンフレットの情報は、更新が遅れている可能性があります。必ず、厚生労働省が運営する公式の「教育訓練給付制度 検索システム」で最終確認を行ってください。
- ステップ1: 検索システムにアクセスし、「講座・スクールを探す」を選択。
- ステップ2: フリーワードに「Webデザイン」などを入力するか、分野・資格コードから検索。
- ステップ3: 検索結果に出てきた講座の「指定番号」や「期間」をチェック。特に「指定期間」が受講開始日を含んでいるかを確認することが重要です。
(出典:厚生労働省『教育訓練給付制度 検索システム』)
申請手続きは「自分」で動くのが基本
教育訓練給付金の手続きは、原則として受講者本人が住所地を管轄するハローワークで行います。スクールが代わりにやってくれるわけではありません(※後述するリスキリング補助金とはここが違います)。
絶対厳守!受講前の手続き期限
特に注意が必要なのは、「特定一般教育訓練」と「専門実践教育訓練」です。これらは受講開始の1ヶ月前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブ・カードを作成し、受給資格確認の手続きを完了させなければなりません。この「1ヶ月前」という期限は法律で決まっており、1日でも遅れるとアウトです。余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
一方、「一般教育訓練」の場合は、受講前の手続きは原則不要です。講座を修了した後に、ハローワークで支給申請を行えばOKです。ただし、自分が支給要件(雇用保険加入期間など)を満たしているか不安な場合は、受講前にハローワークで「支給要件照会」を行っておくことを強く推奨します。
教育訓練給付制度とWebデザイン関連の他制度比較

Webデザインを学ぶための公的支援は、ここまで解説してきた厚労省の「教育訓練給付制度」だけではありません。近年、DX人材育成のために経済産業省が力を入れている「リスキリング補助金」や、求職者支援のための「職業訓練」など、いくつかの選択肢が並立しています。これらは一見似ていますが、対象者や目的、お金の出どころが全く異なります。「結局どれを使えば一番得なの?」という疑問に答えるべく、それぞれの違いを比較していきましょう。
リスキリング補助金でWebデザインを習得

ここ数年で一気に知名度が上がったのが、「リスキリング補助金 Webデザイン」というキーワードで検索される、経済産業省管轄の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」です。この制度は、従来の教育訓練給付制度とは全く異なるアプローチで設計されています。
最大70%補助のインパクトと手軽さ
この制度の最大の魅力は、なんといっても受講費用の最大70%(上限56万円)が補助されるという点です。補助率は厚労省の「専門実践教育訓練」と同じ最高水準ですが、大きな違いは「対象講座のラインナップ」にあります。
教育訓練給付制度の対象講座は専門学校や歴史あるスクールが多いのに対し、リスキリング補助金は、テックアカデミー、DMM WEBCAMP、デジタルハリウッドといった、Web業界で人気の高い民間オンラインスクールや短期ブートキャンプが数多く採択されています。「最新の技術を、民間の使いやすいサービスで学びたい」というユーザーにとっては、非常に相性が良い制度です。
転職サポートがセットになっている
もう一つの大きな特徴は、キャリア相談が必須となっている点です。この事業に採択されているスクール等は、単に講座を提供するだけでなく、受講者に対してキャリアコンサルタントによる相談を行い、転職活動のサポートまで一気通貫で提供することが義務付けられています。「スキルは身につけたけど、就職活動はどうすればいいかわからない…」という迷子になりにくい設計になっています。
給付金が使えるスクールについて具体的に知りたい方は、以下の記事で特集しています。
経済産業省のWebデザイン補助金との違い

Webで情報を探していると、「経済産業省 補助金 web デザイン」というワードで、企業向けの「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」の情報がヒットしてしまうことがあります。これらは名前が似ていますが、個人がスキルアップのために使えるものではないので注意が必要です。
「誰が」申請するかが違う
- 教育訓練給付制度(厚労省): 申請者は「受講者本人(あなた)」です。ハローワークに行って手続きします。
- リスキリング補助金(経産省): 申請者は「事業者(スクール等)」です。あなたはスクールの窓口で手続きをし、スクール経由で補助を受けます(多くの場合、受講料から補助額が差し引かれるか、後日返金されます)。
- IT導入補助金など: 申請者は「中小企業・個人事業主」です。ホームページ制作を外注する際などに使われます。
「転職」の必須条件に注意
教育訓練給付制度とリスキリング補助金の決定的な違いは、「転職」が必須条件かどうかです。
- 教育訓練給付制度(一般・特定一般): 今の会社に在籍したままスキルアップしたい場合や、副業のために学びたい場合でも利用できます。転職しなくてもペナルティはありません。
- リスキリング補助金: この制度は「成長分野への労働移動」を目的としています。そのため、現在企業等に在職しており、かつ「転職(キャリアチェンジ)を目指していること」が利用の前提となります。実際に転職し、1年間継続就業することで満額(70%)の補助が受け取れる仕組みですので、「今の会社でWeb担当者になりたい」という目的では、追加の20%分は受け取れない可能性があります。
Webデザイナー向け補助金の正しい選び方

制度が複雑で迷ってしまうという方のために、あなたの現在の状況と目的に合わせた「Webデザイナー向け補助金の選び方」を整理しました。以下の基準を参考に、自分にとってベストな選択肢を絞り込んでみてください。
| あなたの状況・目的 | おすすめの制度 | 選定理由とポイント |
|---|---|---|
| ①転職が第一目標で、 民間の人気スクールに通いたい | リスキリング補助金 | 最大70%の高い補助率に加え、転職エージェント並みの手厚いサポートが受けられるため。初期費用を用意できるなら最適解。 |
| ②今の会社でスキルを活かしたい、 または副業・フリーランス志望 | 教育訓練給付制度 (一般・特定一般) | 「転職」が要件に含まれないため、現職残留や独立でも確実に給付金(20〜40%)を受け取れる。 |
| ③じっくり時間をかけて 高度な専門性を極めたい | 教育訓練給付制度 (専門実践) | 半年〜1年以上の長期講座で、現場レベルの高度スキルを習得できる。長期的なキャリア形成に有利。 |
| ④現在離職中で、 とにかく費用をかけたくない | 公的職業訓練 (ハロートレーニング) | 受講料が無料。失業給付の延長など生活支援も充実しているため、資金に余裕がない場合のセーフティネットとなる。 |
キャッシュフロー(資金繰り)も重要な視点
どの制度を選ぶにしても、忘れてはいけないのが「初期費用の支払い」です。教育訓練給付制度もリスキリング補助金も、基本的には「後払い(還付)」の性質を持っています(※リスキリング補助金の一部スクールでは、最初から差し引いた額で受講できる場合もありますが、稀です)。
例えば50万円の講座を受ける場合、まずは自分で50万円を用意してスクールに支払う必要があります。給付金が戻ってくるのは数ヶ月後です。クレジットカードの分割払いや、スクール提携の教育ローンを活用するなど、一時的な資金繰りについても事前に計画を立てておくことが大切です。
特に「転職」を視野に入れている場合は、リスキリング補助金の対象講座を持っているスクール(DMM WEBCAMPやテックアカデミーなど)を優先的に検討すると、費用対効果が非常に高くなります。
DMM WEBCAMP Webデザインコースの評判と口コミを徹底解説
職業訓練でWebデザイナーはやめとけ説の真偽

Webで情報収集をしていると、必ずと言っていいほど目にするのが「職業訓練 Webデザイナー やめとけ」というネガティブなキーワードです。無料でお金をもらいながら学べるなんて夢のような制度のはずなのに、なぜこんなにも評判が割れるのでしょうか?その真偽と、構造的な理由を冷静に分析します。
「やめとけ」と言われる3つの理由
- スキルの限界とカリキュラムの古さ: 職業訓練(ハロートレーニング)は、あくまで「再就職に必要な最低限のスキル」を付与する場です。Web業界の技術は日進月歩ですが、公的な訓練カリキュラムは改定に時間がかかるため、現場で求められる最新のトレンド(モダンなJavaScriptフレームワークや最新のデザインツールなど)に対応しきれていない場合があります。「卒業したけど現場レベルに達していなかった」という声が出るのはこのためです。
- 就職先のミスマッチ: 訓練校は「就職率」を成果として国に報告する必要があります。そのため、受講生が希望するクリエイティブなWeb制作会社ではなく、コールセンターや一般事務など、Webとは関係のない職種への就職を強く勧められるケースがあると聞きます。「Webデザイナーになりたくて入ったのに…」という不満の原因です。
- 独特な人間関係と環境: 無料であるがゆえに、学習意欲の低い受講生や、単に給付金目当てで来ている人がクラスに混ざることもあります。高いお金を払って集まる民間スクールの、切磋琢磨するような熱気あるコミュニティと比較すると、モチベーション維持が難しいと感じる人もいるようです。
とはいえ、圧倒的な「無料」の価値 批判的な意見はありますが、それでも「受講料無料」というメリットは強烈です。特に、雇用保険の失業給付を延長して受け取れる「訓練延長給付」や、雇用保険に入っていなかった人でも月10万円の生活支援を受けられる「職業訓練受講給付金」は、経済的に厳しい求職者にとって命綱となります。
結論として、「やめとけ」という言葉を鵜呑みにする必要はありません。「基礎を無料で学べる場所」と割り切り、足りない最新スキルはUdemyや書籍などの独学で補うという戦略を持てる人にとっては、職業訓練は非常に賢い選択肢となります。
高等職業訓練促進給付金でWebデザイナーへ

ひとり親家庭(シングルマザー・ファザー)として頑張っている方には、「高等職業訓練促進給付金 Webデザイナー」というキーワードで検索される、非常に強力な独自の支援制度があります。これは、子育てと仕事を両立しながらスキルアップを目指す親御さんを支えるための制度です。
生活費として月額10万円を支給
この制度は、就職に有利な資格取得を目指して養成機関に通う期間中(上限4年)、生活費の補助として月額10万円(住民税非課税世帯の場合。課税世帯は月額7万0,500円)が支給されます。さらに、修了前のラスト1年間は月額14万円に増額されるなど、安心して学習に集中できる環境を整えてくれます。
「デジタル分野」への対象拡大
従来、この給付金の対象資格は看護師、准看護師、保育士、介護福祉士などの国家資格が中心でした。しかし、近年のデジタル人材不足を受け、要件が緩和されつつあります。6ヶ月以上のカリキュラムがあるWebデザイン等の民間資格講座も、自治体が「適職に就くために必要」と認めれば対象になるケースが増えています(※2024年・2025年度にかけて多くの自治体でデジタル分野が追加されています)。
最強の「ダブル受給」が可能
ここが最大のポイントですが、この生活費支援(高等職業訓練促進給付金)と、ここまで解説してきた学費支援(教育訓練給付金)は、なんと併用が可能です。 つまり、
- 学費:教育訓練給付金で20%〜70%カバー
- 生活費:高等職業訓練促進給付金で月10万円〜カバー
という、二重の公的支援を活用したキャリア形成が可能になるのです。これは民間の奨学金制度などを遥かに凌駕する厚遇措置と言えます。
ただし、Webデザイン講座が対象となるか否かは、お住まいの市区町村の判断に委ねられています。必ず事前に役所の子育て支援窓口などで相談し、「Webデザインの講座を受けたいが、対象になるか?」を確認してください。
教育訓練給付制度でWebデザイン習得のまとめ

今回は「教育訓練給付制度 webデザイン」をメインテーマに、複雑な公的支援制度について網羅的に解説してきました。Webデザインのスキル習得は、あなたの将来の選択肢を広げる素晴らしい投資ですが、決して安い買い物ではありません。だからこそ、使える制度は賢く使い倒すべきです。
最後に、改めてポイントを整理します。
- 現在会社員で、今の環境でスキルアップしたいなら: 転職義務のない「教育訓練給付制度(一般・特定一般)」が安心。
- 本気でWeb業界へ転職し、年収アップを狙うなら: 最大70%補助の「リスキリング補助金」か「専門実践教育訓練」で、実績あるスクールへ。
- 現在離職中で、資金の余裕がないなら: まずは「公的職業訓練」の説明会に参加し、無料のメリットを享受する。
- ひとり親家庭で、生活費も不安なら: 「高等職業訓練促進給付金」と他の給付金の併用(ダブル受給)を自治体に相談する。
制度は常に変化していますし、申請には期限があります。「あの時申請しておけばよかった!」と後悔しないためにも、まずは自分がどの制度の対象になるのか、そして自分が目指すキャリアにはどのスクールの講座が合っているのか、今日から情報収集を始めてみてください。あなたの新しいキャリアへの第一歩を応援しています!

