「育休中に何かスキルを身につけたいけど、お金はかけられないし…」
「そもそも休んでいる間に国の給付金なんて使えるの?」
こんな風に悩んで、せっかくの時間をただ過ぎ去るままにしていませんか?毎日、子育てに追われていると、自分のことは後回しになりがちですよね。授乳やおむつ替え、寝かしつけの無限ループで、「自分の時間なんてない!」と叫びたくなる気持ち、痛いほどわかります。でも、ふとした瞬間に「復職した後、私このままでいいのかな…」なんて不安がよぎること、ありませんか?
実は、育休中こそが、今後の長いキャリアを見据えたスキルアップの最大のチャンスなんです。会社という組織から少し離れている今だからこそ、自分の未来のために時間を使える貴重なタイミングなんですよ。そんな時に頼りになるのが、国が用意してくれている支援制度です。「制度なんて難しそう」と敬遠するのは本当にもったいない!
教育訓練給付制度を育休中に利用したいけれど、手続きや延長の方法が複雑でよくわからないといった悩みをお持ちではありませんか。育児休業給付金との併用や減額のルールも気になるところですし、いつから受給できるのかも重要なポイントですよね。ここ、本当に多くの人が疑問に思う部分なんです。
この記事では、育休中のママやパパが絶対に損をしないために知っておくべき制度の仕組みや、2024年の改正で最大80%まで引き上げられた給付を受けるための条件について、どこよりも詳しく解説していきます。これを読めば、金銭的な不安を解消して、自信を持ってスキルアップの一歩を踏み出せるはずですよ。一緒に、未来の自分のために賢い選択をしていきましょう。
- 教育訓練給付制度の仕組みと育休中に受給するための条件
- 2024年の法改正による最大80%給付の要件と対象講座
- 育児休業給付金との併用が可能である法的根拠と注意点
- 失敗しないための講座選びから申請手続きまでの具体的フロー
教育訓練給付制度を育休中に活用する基礎知識
まずは、この制度がどのような仕組みで成り立っているのか、そしてなぜ育休中の利用がこれほどまでに推奨されるのかについて、基本的な枠組みをしっかり理解しておきましょう。「難しそう…」と身構える必要はありません。制度の全体像を把握することで、「自分には関係ないかも」という誤解が解け、ご自身のキャリアプランに最適な活用方法が見えてきます。
育休中の学び直しに使える補助金の全体像
教育訓練給付制度は、働く人の主体的な能力開発や中長期的なキャリア形成を支援するために、国が受講費用の一部を負担してくれる雇用保険の制度です。一言で「給付金」と言っても、実は全部同じじゃありません。受講する講座のレベルや目的によって、大きく3つの種類に分かれているんです。ここを間違えると、「思ったより戻ってこなかった…」なんてことになりかねないので、しっかりと違いを押さえておきましょう。
育休中の学び直しを検討する際、まず理解すべきなのは、この給付金には目的やレベルに応じて以下の3つの種類が存在するという点です。「自分はどのコースに当てはまるのかな?」「どのくらい本気で勉強しようかな?」と考えながら見てみてくださいね。
| 種類 | 給付率(最大) | 上限額(年間) | 主な対象講座の特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | 簿記、英会話、ITパスポートなど、比較的短期間で取得でき、キャリアの初期段階に役立つスキルが中心です。趣味の延長で始めやすいものも多いですね。 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(+10%) | 25万円 | 介護職員実務者研修、大型免許、税理士の一部など、速やかな再就職や業務独占資格の取得を目指す実践的な講座が多いです。即戦力狙いならここです。 |
| 専門実践教育訓練 | 50% (+20%〜+30%) | 40万円 (最大80%) | 看護師、Webエンジニア、AI、データサイエンス、MBAなど、中長期的なキャリア形成に資する高度な専門スキルが対象です。本気でキャリアを変えたい人向けです。 |
このように、目指すスキルの専門性によって給付率が大きく異なります。一般教育訓練だと20%止まりですが、専門実践教育訓練なら最大で受講料の80%が戻ってくる可能性があるんです。これ、すごい差ですよね。
具体的な金額でシミュレーションしてみよう
例えば、50万円のプログラミング講座を受けるとしましょう。
- 一般教育訓練の場合:
50万円 × 20% = 10万円 が戻ってきます。(実質負担40万円) - 専門実践教育訓練の場合(最大80%適用):
50万円 × 80% = 40万円 が戻ってきます。(実質負担10万円)
同じ50万円の講座でも、選ぶ区分によって自己負担額に30万円もの差が出るんです。これを知らずに「なんとなく」講座を選んでしまうのは本当にもったいないですよね。
特に育休中は、仕事に追われる日常から離れてまとまった時間が確保しやすいため、より高度なスキル習得を目指す専門実践教育訓練への挑戦が、コストパフォーマンスの観点からも非常に有利に働きます。「専門実践なんて難しそう…」と敬遠せずに、まずはここを狙えるか検討するのが賢い選択かなと思います。厚生労働省も、働く人のスキルアップを強力に支援するためにこの区分を拡充しているんですよ。
(出典:厚生労働省『教育訓練給付制度』https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
教育訓練給付制度は在職中でも受給できる
よくある誤解として、「育休中は会社を休んでいるから、雇用保険の被保険者ではないのでは?」「一旦退職してからじゃないと使えない制度でしょ?」という疑問を持たれる方が本当に多いんです。ママ友との会話でも、「会社に籍があるうちは使えないと思ってた!」なんて声をよく聞きます。
ここ、すごく重要なポイントなので声を大にして言いたいのですが、その認識は間違いです!
法的な解釈としては、育児休業中であっても会社との雇用契約は継続しており、雇用保険の一般被保険者という地位は失われていません。つまり、あなたは今も立派な「在職者」なんです。会社を休んでいるだけで、雇用保険上のステータスは働いている時と何ら変わりません。退職して「失業状態」にならないと使えないというのは、全くの誤解なんですよ。
保険料を払ってないのに大丈夫?
「でも、給与明細を見たら雇用保険料が引かれてないんだけど…払ってないのにもらっていいの?」と不安になる方もいるかもしれません。真面目な方ほどそう思いますよね。確かに、育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)や雇用保険料が免除されているケースが多いですが、これは法律で認められた「支払いの免除」であって、「加入していない」わけではないんです。
ここがポイント
育休中の保険料免除期間も、制度上はしっかりと「被保険者期間」としてカウントされ続けています。つまり、休んでいる間も、将来給付を受けるための権利を積み立てている状態なんです。だから、後ろめたさを感じる必要は全くありません。
会社への報告は必要?
「会社に黙って受講していいのかな?」「上司の許可がいるのかな?」と心配になる方もいるでしょう。基本的に、教育訓練給付制度は労働者個人とハローワーク(国)とのやり取りで完結するため、会社への報告義務はありませんし、会社の許可も不要です。
ただし、一点だけ注意が必要なのは、会社が独自の「自己啓発支援制度」などを持っていて、それを利用する場合です。会社から費用の補助が出る場合、それをハローワークに申告する必要があります。二重取りを防ぐためですね。そういった特別な事情がない限り、会社にバレることもありませんし、自分の判断で自由に利用してOKです。
復職後のキャリアに不安がある方こそ、在職中の特権としてこの制度を使い倒すべきですよ。「復職後に時短勤務になってお給料が減るのが怖い…」という不安も、今のうちにスキルをつけておくことで解消できるかもしれません。会社に頼らず、自分の足で立つ準備をしておきましょう。
教育訓練給付制度の条件をわかりやすく解説
「じゃあ、誰でもすぐに使えるの?」というと、そこには少しだけ条件があります。給付金を受け取るためには、雇用保険に加入していた期間、いわゆる「支給要件期間」が一定以上必要となります。「自分が条件を満たしているかわからない…」という方は、以下の基準でチェックしてみてください。意外とハードルは低いんですよ。
初めて利用する場合
これが一番ハードルが低いです。受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者期間が通算1年以上あれば利用可能です。例えば、新卒で入社して1年ちょっと働いてから産休・育休に入ったママさんなら、基本的にクリアしています。「まだ入社して2年目だし…」という方でも、1年以上経っていれば大丈夫なんです。
ここでいう「受講開始日」とは、スクールに申し込んだ日ではなく、実際に講座がスタートする日のことです。育休中に受講を開始するなら、その時点で1年経っていればOKです。
2回目以降の利用の場合
過去にこの制度を使ったことがある方は、少し条件が厳しくなります。前回の受講開始日から3年以上が経過しており、かつその間の雇用保険被保険者期間が3年以上あることが条件です。「昔、英会話で使ったかも?」という方は、その時から3年経っているか思い出してみてくださいね。もし3年経っていない場合は、残念ながら今回は利用できません。
転職している場合の「通算ルール」
ここが少しややこしいのですが、非常に重要なポイントです。「今の会社に入ってまだ半年なんだけど…」という場合でも諦めないでください。転職経験がある場合、以下の条件を満たせば、前の会社での加入期間と今の会社での加入期間を通算(合算)することができます。
通算できる条件
前の会社を辞めてから(被保険者資格を喪失してから)、今の会社に入って被保険者資格を取得するまでの「空白期間」が1年以内であること。
つまり、前職で3年働いて、1ヶ月休んで今の会社に入り、半年後に育休…というケースなら、空白期間が1年以内なので、前職の3年+現職の半年=通算3年半の期間があることになります。これなら余裕でクリアですよね。逆に、離職期間が1年を超えていると、期間はリセットされてゼロからのスタートになるので注意が必要です。
確実なのはハローワークでの「照会」
自分で計算して「たぶん大丈夫」と思っていても、実は1日足りなかった…なんてことになったら目も当てられません。不安な方は、ハローワークで「支給要件照会」を行うのが一番確実です。
ハローワークの窓口に行かなくても、電子申請(e-Gov)や郵送でも確認できます。「教育訓練給付金支給要件照会票」という書類を提出すれば、「回答書」でハッキリと「あなたは対象です/対象外です」と教えてくれます。受講申し込みをする前に、必ずこれをやっておくことを強くおすすめします。
育休中の資格取得を支援する補助金の詳細
育休中に資格取得を目指す場合、どの区分を選ぶかが非常に重要になります。「とりあえず何か資格を取りたい」という気持ちで選ぶと、後悔することになりかねません。ここでは、各区分の特徴をさらに深掘りして、どういう人がどれを選ぶべきかを具体的に解説しますね。
一般教育訓練(給付率20%)
「まずは手軽にスキルアップしたい」「今の業務に直結する知識を補強したい」という方向けです。
- 対象講座の例:簿記検定(3級・2級)、TOEIC、ITパスポート、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、インテリアコーディネーターなど。
- 特徴:受講期間が数ヶ月程度のものが多く、育児の合間に無理なく進めやすいのがメリットです。ただし、給付率は20%(上限10万円)なので、金銭的なメリットはそこまで大きくありません。「自分のお小遣いの範囲で頑張りたい」という方におすすめです。
特定一般教育訓練(給付率40%)
「少し専門的な資格を取りたいけど、何年も学校に通うのは無理」という方向けの、いわば「ミドルクラス」の区分です。
- 対象講座の例:介護職員実務者研修、大型自動車免許、税理士(一部科目)、社会保険労務士(短期間の速修コースなど)。
- 特徴:即戦力となる業務独占資格などが多く含まれます。給付率は40%(上限25万円)と、一般教育訓練の倍になります。ただし、受講前にハローワークでの「訓練前キャリアコンサルティング」が必要になるケースが多いので、スケジュールには余裕を持つ必要があります。
専門実践教育訓練(給付率最大80%)
「復職後はバリバリ働いて年収を上げたい」「未経験の職種へキャリアチェンジしたい」という本気モードの方向けです。ここが一番の狙い目です。
- 対象講座の例:看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、栄養士などの養成課程。さらに、第四次産業革命スキル習得講座として認定されたAI、データサイエンス、セキュリティ、クラウド、Webエンジニア養成講座、MBA(経営学修士)など。
- 特徴:受講期間は中長期(半年〜数年)に及ぶものが多いですが、その分リターンも大きいです。受講費用の50%がベースで支給され、条件を満たせば最大80%(上限最大168万円〜224万円など期間による)まで跳ね上がります。
育休は「ブランク」ではなく「投資期間」
育休期間を「キャリアのブランク(空白)」と捉えるか、「次のステージへの準備期間(投資期間)」と捉えるかで、復職後の景色は全く変わってきます。専門実践教育訓練は、まさにその「投資」を国が半分以上負担してくれる制度なんです。80%OFFで一生モノのスキルが手に入ると考えれば、これを使わない手はありません。
育休中のスキルアップに補助金を活かす方法
この制度を最大限に活かすためには、復職後のキャリアプランを明確にしておくことが大切です。「今の会社で昇進したいのか」、それとも「新しい職種へ転職したいのか」、あるいは「副業を始めたいのか」によって選ぶべき講座が変わってきます。ゴールを決めずに走り出すと、迷子になってしまいますからね。
パターン1:今の会社でキャリアアップしたい場合
「今の会社は好きだし、復職しても長く働きたい」という方は、現在の業務にプラスアルファとなるスキルを選びましょう。
- 事務職の方:Excel VBAやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの自動化スキルを学べば、復職後の時短勤務でもフルタイム並みの成果を出せるかもしれません。
- 営業職の方:中小企業診断士やキャリアコンサルタントなどの資格を取得すれば、顧客への提案力が格段に上がり、昇進への強力なアピールになります。
- 人事・総務の方:社会保険労務士や衛生管理者などの資格が、専門性を証明する武器になります。
パターン2:働き方を変えたい・転職したい場合
「子供が生まれたから、在宅でできる仕事に変えたい」「今の会社の将来性が不安だから、手に職をつけたい」と考えるなら、市場価値の高いスキルに挑戦するのが得策です。このパターンの方には、特にIT・Web系のスキルを強くおすすめします。
- Webデザイン・動画編集:在宅ワークやフリーランスとの相性が抜群です。子育ての合間に案件をこなす、という働き方が実現しやすい分野です。
- プログラミング:エンジニアは慢性的な人手不足で、求人も豊富です。リモートワークが当たり前の業界なので、子育て中のママさんにも非常に人気があります。専門実践教育訓練の対象講座も豊富です。
リスキリングの波に乗ろう
最近よく耳にする「リスキリング(学び直し)」は、まさにこうした新しい職業に就くために必要なスキルを獲得することを指します。国も企業も今、このリスキリングに力を入れています。教育訓練給付制度は、個人のリスキリングを強力に後押しする最強のサポーターです。「私には無理かも…」と思わずに、まずはどんな講座があるか知ることから始めてみましょう。意外と「これなら楽しそう!」と思えるものが見つかるかもしれませんよ。
教育訓練給付制度を育休中に賢く使う実践ガイド
制度の概要がわかったところで、次は実際にどのように講座を探し、手続きを進めれば良いのか、具体的なアクションプランについて解説します。「手続きが面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば大丈夫。特に2024年の法改正による変更点は、知らないと損をする可能性があるので要チェックです。
教育訓練給付制度の対象講座を検索する方法
「どんな講座があるのか見てみたい!」と思ったら、まずは厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」を使って調べてみましょう。これ、意外と知られていないのですが、すごく便利なツールなんです。
検索の際は、ご自身の興味ある分野(例:「情報処理」「医療事務」など)だけでなく、「受講形態」の絞り込みが超重要です。育休中のママにとって、通学型のスクールに通うのは至難の業ですよね。急な子供の発熱、授乳のタイミング、保育園の呼び出し…予測不能な事態だらけです。
そこで強くおすすめしたいのが、通信制・オンライン講座です。検索システムでは詳細検索条件で「通信」にチェックを入れることができます。これを使えば、自宅にいながら、子供が寝た後の隙間時間で受講できる講座だけを効率よく見つけることができます。「eラーニング」に対応している講座なら、スマホ一つで学習が進められるものも多いですよ。
検索のコツ
キーワード欄に「Webデザイン」や「プログラミング」と入力し、「専門実践教育訓練」のチェックボックスをオンにして検索してみてください。さらに「通信」に絞り込めば、育休中に目指せる高給付率の講座が一覧で出てきます。
育休中のリスキリングにおすすめの認定講座
検索してみるとわかりますが、対象講座は本当にたくさんあります。「多すぎて選べない!」という方のために、育休中のママやパパに特に人気が高く、かつ専門実践教育訓練として指定されている講座のトレンドをご紹介しますね。
1. Webデザイン・Web制作
「クリエイティブな仕事に憧れる」「在宅でフリーランスとして働きたい」という方に圧倒的な人気があります。PhotoshopやIllustratorの使い方から、Webサイトの構築まで学べます。ポートフォリオ(作品集)を作れば、転職活動や案件獲得のアピール材料にもなりますよ。
2. プログラミング(Python, Java等)
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に伴い、エンジニアの需要は右肩上がりです。未経験からでも、半年ほど集中的に学べばエンジニア転職は十分可能です。特にPythonはAI開発にも使われる言語で、将来性が非常に高いです。高単価な案件獲得や、フルフレックス・フルリモートといった好条件での転職に直結しやすいのが魅力です。
3. 国家資格(社会保険労務士、キャリアコンサルタント)
「やっぱり国家資格の安定感が欲しい」という方にはこちら。特に社労士は、企業の労務管理を行う専門家なので、自分の育休経験や時短勤務の経験をそのまま業務に活かせる場面が多いんです。独立開業も目指せる一生モノの資格ですね。
特に生成AIやプログラミングなどの先端ITスキルは、今後ますます重要性が高まります。給付金対象のスクールについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。自分に合ったスクールが見つかるはずです。
補助金・給付金が使える生成AIスクールおすすめ9選【2025年最新】
改正で給付率が最大80%になる要件
ここが今回の目玉情報です!2024年10月の雇用保険法改正により、専門実践教育訓練給付金の給付率がさらに拡充されました。「最大70%じゃないの?」と思っていた方、情報はアップデートされていますよ。
これまでの最大70%に加え、特定の条件を満たすことでさらに10%が上乗せされ、受講費用の最大80%が支給されるようになっています。具体的には、以下のような3段階のステップアップ方式になっています。
| ステップ | 要件 | 給付率 |
|---|---|---|
| ①受講中 | 専門実践教育訓練を6ヶ月ごとに受講し続ける | 50% |
| ②修了・就職後 | 講座を修了し、資格取得などを経て、受講修了後1年以内に就職・復職して被保険者となる | +20% (計70%) |
| ③賃金上昇後 | 上記に加え、受講修了後の賃金が、受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇している | +10% (計80%) |
この「賃金5%上昇」という要件、「復職後に時短勤務になったら、給料下がるから無理じゃない?」と心配になりますよね。でも、諦める必要はありません。この比較は、単純な月給総額だけでなく、場合によっては時給換算や日額ベースでの比較となるケースもあるからです。
また、この制度は「より良い条件での雇用」を促進するためのものです。資格取得を機に、社内で昇進・昇格を交渉したり、あるいは思い切ってより条件の良い企業へ転職したりすることで、この恩恵をフルに受けることができます。80%給付は、あなたのキャリアアップへの挑戦に対する国からの「ボーナス」だと考えてみてください。
(出典:厚生労働省『教育訓練給付の給付率の引上げ(専門実践教育訓練)』https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001250269.pdf)
育児休業給付金との併給や減額ルールを解説
金銭面で最も気になるのが、「教育訓練給付金をもらうと、毎月の育児休業給付金(育休手当)が減らされるのではないか?」という点でしょう。育休手当は生活の命綱ですから、これが減るなら使いたくない…と思うのは当然です。
でも、安心してください。結論から申し上げますと、教育訓練給付金と育児休業給付金の併給は完全に可能であり、原則として減額されることはありません。
なぜなら、育児休業給付金が減額されるのは、休業期間中に会社から労働の対価として「賃金」が支払われた場合だからです。一方で、教育訓練給付金は、あなたが自腹で支払ったスクール代などの経費に対する「補填(キャッシュバック)」であり、労働の対価としての「賃金」や「収入」とはみなされません。
例外的な注意点:会社からの補助がある場合
一つだけ注意が必要なのは、国からではなく、お勤めの会社からお金が出るケースです。もし受講期間中に、企業から「訓練手当」や「自己啓発支援金」「受講奨励金」といった名目で、給与の一部としてお金が支払われた場合は、それが「賃金」とみなされ、育児休業給付金の減額調整の対象になる可能性があります。会社の福利厚生などで独自の補助制度を利用する場合は、その支給名目や扱いを人事担当者に事前に確認しておきましょう。
教育訓練給付制度の申請方法と手続きの流れ
「よし、やってみよう!」と思ったら、すぐに手続きの準備を始めましょう。特に「専門実践教育訓練」や一部の「特定一般教育訓練」を利用する場合、受講開始前の手続きが必須となります。「来月から始めたいのに間に合わない!」とならないよう、スケジュールを逆算して早めに動くことが成功の鍵です。
一般的な流れは以下の通りです。
- 訓練前キャリアコンサルティングの予約
まずハローワークに連絡します。受講開始日の原則1ヶ月前までに、指定のキャリアコンサルティングを受け、自分のキャリアプランをまとめた「ジョブ・カード」を作成する必要があります。これがないと申請できません。 - 受給資格確認票の提出
コンサルティング終了後、ハローワークへ必要書類(ジョブ・カード、本人確認書類など)を提出し、「この人は給付金をもらう資格がありますよ」という確認を受けます。 - 講座の申し込み・受講・修了
スクールに受講申し込みをし、受講料を一旦全額支払います(ここ重要です。後払い方式なので、一時的な立て替えが必要です)。その後、真面目に受講して修了要件を満たします。 - 支給申請
受講中(専門実践なら6ヶ月ごと)および修了後に、ハローワークへ領収書や修了証明書を添えて支給申請を行います。審査が通れば、指定口座にお金が振り込まれます。
「赤ちゃん連れで何度もハローワークに行くのは大変…」という方も多いですよね。そんな時は、マイナンバーカードを利用したe-Gov電子申請を活用しましょう。自宅のパソコンやスマホから申請手続きが完結するため、移動の手間も待ち時間もありません。育休中の方には最強のツールですよ。
教育訓練給付制度を育休中に利用するまとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。少し長くなりましたが、制度の全貌が見えてきたでしょうか?
育休中は、子育てで手一杯な時期であると同時に、自分のキャリアを客観的に見つめ直し、新たな武器(スキル)を身につける絶好の機会でもあります。教育訓練給付制度を正しく理解し活用することで、経済的な負担を最小限に抑えながら、ご自身の市場価値を大きく高めることができます。「あの時やっておけばよかった」と後悔するより、「あの時頑張ってよかった」と思える未来を選びたいですよね。
記事のまとめ
- 育休中でも「在職者」として教育訓練給付制度を利用できる。
- 専門実践教育訓練なら、法改正により最大80%の給付が可能。
- 育児休業給付金との併用でも減額される心配はない(会社からの手当は要注意)。
- 受講前(原則1ヶ月前)の手続きが必要な講座があるため早めの行動が吉。
まずは、ご自身の目指すキャリアに合った講座があるか、厚生労働省の検索システムで調べてみることから始めてみてはいかがでしょうか。そして、もし気になるスクールがあれば、無料の説明会に参加してみるのも良いでしょう。賢く制度を使って、自信を持って復職できる準備を整えましょう。あなたの新しい挑戦を応援しています!

