専門実践教育訓練給付金の追加給付で賃金上昇を判定するには、受講開始前と修了後の賃金月額を同じ基準で比べます。給与明細の手取り額を並べるだけでは、比較の根拠として不足することがあります。
制度上は、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がったかを確認し、該当すれば合計80%の追加給付を申請できる場合があります。講座の修了、雇用保険の資格、賃金比較、事業主の証明を一つの手続きとして整理します。
比較する期間や月額の定義は、受講開始日と就職後の勤務記録によって変わります。会社へ証明を依頼する前に、どの月の賃金を記載するかをハローワークへ照会しておくと、書き直しを減らせます。
賃金上昇の条件と合わせて講座費用を比べるなら、専門実践教育訓練給付金対象スクール比較で、受講料と追加給付の試算を並べられます。
| 賃金上昇の確認項目 | 比べる内容 | そろえる資料 |
|---|---|---|
| 開始前 | 受講開始前の賃金月額 | 給与明細や事業主記録 |
| 修了後 | 制度が指定する比較時点の賃金月額 | 給与明細と雇用保険の記録 |
| 上昇率 | 開始前に対して5%以上か | 比較計算表 |
| 証明 | 事業主が記載する申請書 | 第101条の2の7第3号関係様式 |
賃金5%上昇の追加給付で比べる月額
賃金上昇の追加給付は、受講開始前と修了後の賃金を制度の指定方法で比較します。追加給付の条件や率は厚生労働省の専門実践教育訓練給付金Q&Aで確認し、受講中の基本給付と混同しないようにします。
比較するのは、手取り額だけではありません。基本給、固定手当、所定労働時間など、申請書が求める賃金月額の定義を使う必要があります。給与明細にある項目を自己判断で足し引きせず、事業主証明の記載欄を確認します。
5%という数字は、受講料へ掛ける率ではなく、賃金の変化を判断する基準です。給付率80%を受講料へ掛ける計算と、賃金が5%上がったかの計算を別の表に置きます。
受講開始前と修了後の賃金月額をそろえる
賃金比較は、開始前と修了後で期間や働き方が変わっていないかを確認してから行います。短時間勤務、休職、転職、賞与の支給月が混ざると、同じ月額を比べたつもりでも意味が変わります。
| 比較項目 | 開始前に記録するもの | 修了後に記録するもの |
|---|---|---|
| 基準日 | 受講開始日と雇用保険の資格 | 制度が指定する比較時点 |
| 賃金月額 | 事業主が証明できる月額 | 現在の事業主が証明する月額 |
| 勤務時間 | 所定労働時間と雇用形態 | 同じか変わったか |
| 例外 | 休職、欠勤、賞与の有無 | 比較から外す扱いを確認 |
支給申請の様式や添付資料は厚生労働省の教育訓練給付支給申請手続で確認します。開始前の会社と修了後の会社が違う場合は、双方へどの証明が必要かを窓口へ聞いてから依頼します。
月額28万円から5%上がった場合の計算例
受講開始前の賃金月額を28万円と仮定すると、5%上昇の境目は28万円 × 1.05 = 29万4,000円です。修了後の比較月額が29万4,000円以上なら基準を満たす計算例になり、29万2,000円なら約4.29%で届きません。
| 修了後の賃金月額の例 | 開始前28万円との差額 | 上昇率の計算 | 5%判定 |
|---|---|---|---|
| 294,000円 | 14,000円 | 14,000 ÷ 280,000 = 5% | 境目の例 |
| 300,000円 | 20,000円 | 20,000 ÷ 280,000 ≒ 7.14% | 5%以上の例 |
| 292,000円 | 12,000円 | 12,000 ÷ 280,000 ≒ 4.29% | 届かない例 |
| 280,000円 | 0円 | 0 ÷ 280,000 = 0% | 届かない例 |
この計算は賃金月額の定義を単純化した参考値です。対象経費や本人負担の範囲は厚生労働省の教育訓練給付Q&Aで照合します。対象経費100万円の講座なら、賃金上昇の条件が成立した場合の総給付は80万円という試算になりますが、資格取得や就職、上限など他の条件も確認します。
第101条の2の7第3号関係の支給申請書と事業主証明
賃金上昇の追加給付では、「教育訓練給付金(第101条の2の7第3号関係)支給申請書」などの様式と、事業主の証明を用意します。最新の様式例と制度の説明は厚生労働省の専門実践教育訓練給付金案内資料で照合し、提出先の案内はハローワークの教育訓練給付制度詳細とハローワークインターネットサービスの手続案内で確認します。
- 受講開始前の賃金月額を証明できる給与明細や会社記録をそろえる。
- 修了後の比較時点と賃金月額をハローワークへ確認する。
- 申請書の比較欄へ転記し、事業主へ記載と証明を依頼する。
- 事業主印や担当者欄、雇用保険の資格情報に漏れがないか確認する。
- 申請書、給与資料、修了証明、受給済みの通知を提出用にまとめる。
事業主が証明できない項目がある場合、給与計算担当者へ聞くだけで解決するとは限りません。どの資料を代替にできるか、事業主証明が必要な欄かをハローワークへ相談します。
賃金上昇の追加給付を申請する前のチェックリスト
- 受講開始前の賃金月額と基準日を記録した。
- 修了後の比較時点と、対象となる賃金月額を照会した。
- 5%上昇の計算式を、開始前の月額を分母にして作成した。
- 事業主証明を依頼する担当者と依頼日を決めた。
- 第101条の2の7第3号関係の様式を最新版で確認した。
- 修了証明、資格取得や就職の資料、給与記録を一つにまとめた。
賃金が5%上がった場合の専門実践追加給付に関するよくある質問
5%上昇は手取り額で計算しますか?
手取り額だけを比べて判定できるとは限りません。制度の申請書が定める賃金月額と比較時点を使い、開始前と修了後の項目を同じ基準で記載します。税金や社会保険料の変動で手取りが変わっただけでは、賃金上昇の条件を満たしたとは判断できないため、事業主証明と窓口確認を行います。
月額28万円ならいくらになれば5%上昇ですか?
28万円を開始前の賃金月額と仮定すると、5%分は1万4,000円で、境目は29万4,000円です。実際の申請では、制度が指定する賃金月額の定義、比較時点、勤務時間を使う必要があります。給与明細の総支給額をそのまま使えるかは、事業主とハローワークへ確認してください。
事業主が証明書を書いてくれないときはどうしますか?
まず、申請書のどの欄にどの資料が必要かを会社の人事や給与担当者へ説明します。それでも証明できない場合は、給与明細、雇用契約、雇用保険の資格記録を持ってハローワークへ相談し、代替資料や提出方法の指示を受けます。自分で数値を書き換えて提出することは避けてください。
転職して会社が変わった場合も賃金比較できますか?
転職で事業主が変わると、開始前の賃金を証明する会社と修了後の賃金を証明する会社が分かれます。二つの会社の記録、雇入れ日、雇用保険資格取得日をそろえ、比較の対象になるかを窓口へ照会します。転職による給与差を5%上昇と決めつけず、制度上の比較方法に従います。
5%上昇の計算と事業主証明を別々に確認して申請する
賃金上昇の追加給付は、受講料の80%計算と、開始前・修了後の賃金を5%以上比べる作業を組み合わせます。月額の定義、比較時点、事業主証明の欄を先に確定してから、追加申請へ進みます。
- 5%は賃金月額の上昇基準で、給付率80%を意味する数字ではありません。
- 月額28万円なら29万4,000円が5%上昇の境目になる計算例です。
- 事業主証明は第101条の2の7第3号関係の申請書と記載欄を照合します。
- 開始前と修了後の資料を同じ基準で保存し、転職や勤務時間の変更は窓口へ伝えます。
事前申請の期限をもう一度確認する場合は、専門実践の事前申請が間に合わないときの確認先と対処で、開始日が迫ったときの相談手順を確認できます。




