費用シミュレーションは、画面数へ一律単価を掛ける計算ではありません。
機能、役割、人日、外部費、継続費、不確実性を分け、前提を変えたとき金額がどう動くかを見る道具です。
一つの精密そうな合計ではなく、最小、基準、拡張の三案を同じ表で比べてください。
アプリ開発の目的に合う相談先は、外注と学習を目的別に分けた相談ガイドにまとめています。
| 入力 | 単位 | 例 |
|---|---|---|
| 機能 | 利用者が完了する操作 | 登録、検索、予約、通知 |
| 役割 | 要件、UI、開発、品質、運用 | 人日と単価 |
| 外部費 | クラウド、API、素材、端末 | 初期、月額、従量 |
| 公開費 | ストア、署名、審査対応 | OS別 |
| 不確実性 | 未決仕様、難所、移行 | 調査または幅 |
| 継続費 | 監視、問い合わせ、更新 | 月額、年額 |
シミュレーションの入力と出力を分ける
入力は変えられる前提で、出力は初期費、月額、年額、総額、公開時期です。
合計だけを保存せず、どの入力を変えた結果か追えるようにします。
| 入力グループ | 変動要因 | 出力への影響 |
|---|---|---|
| 範囲 | 機能、OS、言語、権限 | 人日と試験件数 |
| 品質 | 性能、可用性、安全性 | 設計、環境、試験 |
| 体制 | 役割、単価、兼任 | 初期費と期間 |
| 外部 | API、クラウド、ストア | 初期費と継続費 |
| 不確実性 | 未決事項、PoC、移行 | 幅と予備費 |
要求の違いを入力へ変換する際は、ISO/IEC/IEEE 29148の規格案内も参考に、目的、制約、検証方法を分けます。
「通知あり」を一項目にせず、送信条件、対象者、停止、失敗、管理画面まで必要範囲を確認してください。
安全性は最後に一律の割合を足すのではなく、要件、設計、レビュー、試験、運用へ工数を置きます。
NIST SSDFが扱う開発環境保護や脆弱性対応も、担当と成果物へ変換します。
見積もり表を七段階で作る
精度は小数点ではなく、前提と対象外を説明できるかで判断します。
- 初回リリースの主要動線と対象外を決める
- 機能を入力、処理、データ、外部連携、管理へ分ける
- 要件、UI、開発、品質、公開、運用の人日を置く
- 単価、端末、素材、クラウド、API、ストア費を加える
- 未決事項を調査費、PoC、見積もり幅へ変える
- 最小、基準、拡張の三案を同じ式で計算する
- 実績人日と利用量を月次で戻し、前提を更新する
各行へ、計算式、根拠、担当、確認日を持たせます。
無料枠やキャンペーンを前提にする場合は、終了後の単価も別シナリオへ入れてください。
クラウド単価はAWS Pricing Calculatorのガイドのような公式手段と採用製品の最新価格表から入力します。
第三者ブログの古い金額を固定値として再利用しません。
八十人日と外部費から初期費を出す計算例
次の数字は計算方法を示す仮定です。
要件10人日を8万円、UI15人日を7万円、開発40人日を9万円、品質15人日を7万円とします。
人件費は80万円+105万円+360万円+105万円で650万円です。
端末と素材30万円、初期クラウド設定20万円、公開準備10万円を加えると、仮の初期費は710万円です。
| 項目 | 計算 | 仮費用 |
|---|---|---|
| 要件 | 10日×8万円 | 80万円 |
| UI | 15日×7万円 | 105万円 |
| 開発 | 40日×9万円 | 360万円 |
| 品質 | 15日×7万円 | 105万円 |
| 外部、公開 | 30+20+10万円 | 60万円 |
| 合計 | 80人日+外部費 | 710万円 |
単価だけを20%下げても、手戻りで人日が25%増えれば総額は下がらない場合があります。
単価、人数、期間を独立に変え、変更後もレビューと受け入れ条件が残るか確認してください。
未確定要素を三つのシナリオへ変える
基準案に一律20%を加えるだけでは、何が不確実か分かりません。
決済連携、データ移行、審査、性能など、変動する行だけを三つの想定へ変えます。
最小案は既存サービスを使い初回範囲を絞る前提です。
基準案は想定する通常要件、拡張案は独自連携、多言語、高い可用性などを含めます。
| シナリオ | 範囲 | 不確実性の扱い |
|---|---|---|
| 最小 | 主要動線と一OS | 外部サービスを標準利用 |
| 基準 | 二OSと運用機能 | 難所をPoC済み |
| 拡張 | 多言語、独自連携、高品質 | 移行と障害試験を追加 |
三案は「安い、普通、高い」ではなく、何を提供し何を提供しないかで説明します。
決裁者が削る項目と失う成果を同時に見られるようにしてください。
継続費を十二か月と更新イベントで試算する
月額費はクラウド、外部API、監視、問い合わせ、保守作業で構成します。
年額は月額×12だけでなく、OS更新、証明書、ストア、セキュリティ対応、改善リリースを加えます。
クラウド費用はAWSのコスト最適化資料のように、継続的に測定して改善します。
通常利用、利用増、異常急増でAPI、保存、通信の入力を変えてください。
ストア登録や課金条件も現在の公式情報を使います。
Apple Developer ProgramとPlay Consoleの開始案内で登録条件を確認します。
人件費を継続費から外すと、問い合わせや更新を誰も担当できない予算になります。
月に必要な監視、定例確認、問い合わせ、更新の時間も、社内単価または委託費で計上してください。
費用シミュレーションでよくある質問
Excelだけで見積もりできますか?
表計算は計算とシナリオ比較に使えますが、入力となる要件、依存関係、技術的難所は関係者の確認が必要です。
各セルへ根拠、担当、確認日、対象外を持たせると更新しやすくなります。
予備費は一律の割合でよいですか?
初期の概算では補助になりますが、決済、移行、外部審査など変動要因へ分けた方が判断できます。
PoCで不確実性を下げる費用と、発生時に使う予備費を混同しないでください。
クラウドの無料枠をゼロ円としてよいですか?
試作時に使えても、公開後の利用量、保存期間、サポート、無料期間が同じとは限りません。
公式の料金試算手段と採用サービスの価格表で、無料枠終了後と利用増のシナリオも作ります。
前提を変えても再計算できる見積もり表を作る
良い費用シミュレーションは、予算に合う数字を出す表ではありません。
範囲、品質、体制、外部単価、不確実性を変えたとき、どの成果とリスクが変わるか説明できる表です。
- 入力へ置く機能、役割、人日、外部費、不確実性、継続費
- 三案を分ける初回範囲、OS、言語、独自連携、品質条件
- 計算行へ残す式、根拠、担当、確認日、対象外
- 年額へ加える月額費、OS更新、証明書、ストア、安全性、改善
費用幅と作業量が見えたら、アプリ開発の工程別期間と短縮方法で人日を依存関係と担当者の稼働へ変換できます。




