事業展開等リスキリング支援コースは、企業が新規事業、DX・GX化、社内の人事・人材育成計画に必要な知識や技能を従業員に学ばせるときに使う人材開発支援助成金のコースです。個人の受講料を直接返す制度ではなく、事業主が訓練計画を立て、訓練経費と訓練中の賃金の一部を申請します。
令和8年度の詳細版では、OFF-JTの経費助成率は中小企業75%、中小企業以外60%、賃金助成は1人1時間あたり中小企業1,000円、中小企業以外500円と示されています。計画届の時期、対象訓練、企業規模、賃金要件で扱いが変わるため、数字だけで受給額を見積もらないことが大切です。
個人向け講座の募集状況と受講料は、リスキリング講座おすすめ比較で、企業研修にも転用しやすい分野と学習形式を比べています。会社で候補講座を探すときは、助成金の対象可否を公式資料と労働局への照会で分けて確認します。
| 最初に分ける項目 | 確認する内容 | 申請で残す資料 |
|---|---|---|
| 事業の変化 | 新規事業、DX・GX、配置転換の計画 | 事業計画、組織図、職務案 |
| 受講者 | 雇用保険の被保険者、担当予定業務 | 労働者名簿、雇用記録 |
| 訓練 | OFF-JTの内容、時間、講師、修了条件 | カリキュラム、見積、実施記録 |
| 助成 | 経費助成、賃金助成、支給限度額 | 計画届、請求書、賃金台帳 |
事業展開等リスキリング支援コースの対象を捉える
厚生労働省の人材開発支援助成金案内は、このコースを「新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させる訓練」と説明しています。対象者は申請事業主が雇用する雇用保険被保険者で、会社の計画と訓練内容のつながりが必要です。
「リスキリング」という名称だけで対象になるわけではありません。令和8年度詳細版パンフレットの対象訓練の説明を基に、会社が何を変え、受講者が修了後にどの職務へ移るのかを、事業内職業能力開発計画や職業訓練実施計画届に落とし込みます。
新規事業・DX・GXに結び付く訓練を選ぶ
令和8年度版の事業展開等リスキリング支援コース詳細版パンフレットでは、事業展開、DX・GX化、企業内の人事・人材育成計画に基づき今後従事する職務が対象の方向として示されています。厚生労働省のコース一覧でも、事業展開に伴う新分野の訓練として案内されています。たとえば、新しいEC部門のデータ分析、製造現場のIoT運用、脱炭素設備の管理などは、業務変更と訓練内容を対応させて説明します。
反対に、福利厚生としての一般教養、業務との関係が説明できない趣味講座、受講者だけの転職準備は、このコースの目的と合いません。研修会社のカタログより先に、自社の職務記述書と訓練後の業務を並べます。
| 事業上の変化 | 訓練の例 | つなげる社内資料 |
|---|---|---|
| 新規サービス | 顧客分析、Web制作、サービス設計 | 事業計画、KPI、担当表 |
| DX化 | データ基盤、業務自動化、AI活用 | 業務フロー、導入計画 |
| GX化 | 省エネ管理、環境データ、設備運用 | 環境目標、設備計画 |
| 人材配置の変更 | 新職務の専門知識、管理者研修 | 職務定義、異動計画 |
助成率と賃金助成を分けて計算する(計算例)
令和8年度詳細版パンフレットの助成額表では、事業展開等リスキリング支援コースのOFF-JTについて、経費助成率は中小企業75%、中小企業以外60%、賃金助成は1人1時間あたり中小企業1,000円、中小企業以外500円です。令和8年度末までの時限措置と記載されている項目もあるため、計画届を出す日と最新パンフレットの版を記録します。
たとえば受講料100,000円、対象訓練時間10時間という見積でも、支給額は単純に75,000円と1人10,000円を足せるとは限りません。対象経費、支給限度額、賃金の実支給、対象労働者、計画届の受理状況を確認してから社内予算を組みます。
訓練開始前の計画届を整える
詳細版パンフレットには、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を提出するフローチャートが示されています。訓練の開始日を先に予約すると、計画届や添付資料の準備が間に合わないことがあります。実施日、契約日、受講者、費用の発生日を一覧にして、管轄労働局の提出期限を照合します。
申請様式は厚生労働省の申請書類一覧からコース別に取得できます。計画届、事業展開等実施計画、対象労働者一覧、講師要件確認書などを、古い年度の様式と混ぜないようファイル名に版日を付けます。
令和8年の価格設定に関する疎明書を確認する
厚生労働省は、最新のお知らせで、令和8年5月14日以降の支給申請について、一定の未決定案件を含め「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式28号)」の提出が必要と案内しています。価格設定に関する案内資料の対象時期と提出方法を確認し、電子申請画面の準備状況も含めて労働局へ照会します。
見積書だけを保存するのではなく、通常価格、値引き、他社向け価格、契約・請求の関係を説明できる資料をまとめます。受講料が無料になる制度ではないため、会社がいったん負担する金額と、支給申請で認められる金額を別欄にします。
個人向けリスキリング支援との違いを整理する
個人が転職目的で講座を選ぶ場合は、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の公式検索で、登録事業者と講座の募集条件を調べます。就労者向け案内は、キャリア相談、講座、転職支援を組み合わせた個人向けの流れを説明しています。
一方、事業展開等リスキリング支援コースの申請者は事業主です。社員が自分で申し込んだ講座を、会社の人材開発支援助成金へ後から置き換えることはできません。ハローワークの教育訓練給付案内も、個人向け給付の申請先と時期を説明しています。会社負担の研修か、個人が探す講座かを契約前に分けます。
企業が申請する六段階
- 新規事業、DX・GX、配置転換のどれに当たるかを事業計画で明らかにする。
- 受講者の雇用保険、担当予定職務、訓練前の技能を整理する。
- カリキュラム、講師、時間、修了基準、費用を候補研修ごとに比較する。
- 最新様式で事業内計画と職業訓練実施計画届を作り、開始前の提出期限を労働局と照合する。
- 実施中の出席、受講ログ、賃金、変更内容を受講者別に保存する。
- 修了後に請求・領収・賃金・価格設定の資料をそろえ、支給申請を行う。
計画届前に残すチェックリスト
- 新規事業やDX・GXの目的と、修了後の職務を一文で説明できる。
- 対象労働者の雇用保険、雇用形態、訓練前の技能を確認した。
- カリキュラム、訓練時間、講師要件、修了判定の資料を受け取った。
- 計画届の提出期間、様式の版日、管轄労働局を記録した。
- 受講料、値引き、賃金、教材費を制度上の費目に分けた。
- 令和8年の価格設定に関する疎明書の対象と添付場所を照会した。
事業展開等リスキリング支援コースのよくある質問
個人が自分の受講料を申請できますか?
このコースは事業主が雇用する労働者の訓練を申請する仕組みです。個人の講座費を調べる場合は、個人向け公式検索や教育訓練給付金を別制度として確認し、会社の計画届に混ぜません。
訓練開始後に計画届を出せますか?
詳細版パンフレットは開始前の提出期間を示しているため、開始後に遡って認められる前提で契約しないことが安全です。開始日、計画届の提出日、受理日を社内の工程表に置き、迷う場合は管轄労働局の確認を記録します。
経費助成率75%なら会社負担は25%ですか?
75%は中小企業の対象経費に対する表示で、対象外費用、上限、支給要件、賃金助成の扱いが別にあります。見積総額に率を掛けるのではなく、対象経費と支給限度額をパンフレットの表で分けて計算します。
価格設定に関する疎明書はいつ使いますか?
令和8年5月14日以降の支給申請で、未決定の対象案件には様式28号の提出が必要と案内されています。最新のお知らせで対象時期と添付場所を確認し、見積や値引きの根拠を保存します。
助成率より先に事業計画と開始前手続きをそろえる
事業展開等リスキリング支援コースは、会社の事業変化と従業員の訓練を結び付け、開始前の計画届、実施記録、費用と賃金の証憑をそろえて申請する制度です。助成率は予算の目安として使い、受給額の確定は最新パンフレットと労働局の確認後に行います。
- 対象は新規事業、DX・GX、社内計画に基づく新職務の訓練である。
- 令和8年度詳細版の経費助成率は中小企業75%、中小企業以外60%と示されている。
- 賃金助成は1人1時間あたり中小企業1,000円、中小企業以外500円だが、要件と上限がある。
- 令和8年5月14日以降の未決定案件では価格設定に関する疎明書を確認する。
企業向けの対象講座と計画届の資料をさらに並べる場合は、人材開発支援助成金の対象講座と申請前に必要な計画届で、外部研修とeラーニングの証憑を続けて整理できます。




