「仕事を続けたまま教育訓練給付金を使いたいが、会社に申請してもらうのか、勤務先へ受講を伝える必要があるのかが分からない」。在職者が迷いやすいのは、雇用保険料を会社と負担していても、教育訓練給付金の申請者は受講する本人だからです。
在職中でも、雇用保険の加入期間と指定講座の修了条件を満たせば教育訓練給付金を利用できます。
支給申請の窓口は住所を管轄するハローワークで、会社が受講料を立て替える制度ではありません。
仕事と学習を両立するには、講座の開始日、勤務シフト、受講前手続き、修了期限を同じ予定表へ置きます。
特定一般と専門実践は、キャリアコンサルティングや受給資格確認を受講開始日の2週間前までに済ませる必要があるため、申し込み直後から準備を始めます。
仕事に合う講座と給付区分を比べたい場合は、教育訓練給付金の対象講座・スクール比較で学習時間と実質負担を並べられます。
| 在職中に確認すること | 判断の基準 |
|---|---|
| 会社への申告 | 教育訓練給付金の支給申請は本人が行います。勤務先への申告や休暇申請は、就業規則と受講時間の扱いで決めます。 |
| 雇用保険 | 受講開始日に被保険者であるか、支給要件期間を満たすかを確認します。 |
| 講座の時間 | 勤務時間と重なる授業、実習、試験の日を受講前に洗い出します。 |
| 手続き | 特定一般と専門実践は、キャリアコンサルティング、ジョブ・カード、受給資格確認の期限を逆算します。 |
| 支給時期 | 一般と特定一般は修了後が中心で、専門実践は受講中6か月ごとの申請があります。 |
在職中でも教育訓練給付金の対象になる
教育訓練給付金は、離職者だけの制度ではありません。
在職中に雇用保険の被保険者であり、指定講座を受講して修了要件を満たした人も対象になります。
厚生労働省は、一定の受給要件を満たす被保険者または被保険者であった人が指定教育訓練を受講して修了した場合に支給すると案内しています。
制度の対象者と3区分の違いは、厚生労働省の教育訓練給付金案内で確認できます。
受給資格の根拠は、e-Govの雇用保険法でも確認できます。
「会社員だから会社経由で申請する」という理解は正しくありません。
会社は雇用保険の資格取得や就業上の調整に関わりますが、教育訓練給付金の支給申請は受講者本人がハローワークへ行います。
会社に頼む手続きと本人が行う手続きを分ける
在職中の準備が複雑に見えるのは、会社の手続きと給付金の手続きが同時に存在するからです。
雇用保険の資格記録や勤務時間の証明は会社の領域ですが、講座の修了証明や受講料の領収書は受講者が保管します。
| 手続き | 主体 | 確認する書類や情報 |
|---|---|---|
| 雇用保険の資格取得 | 事業主が届出、本人も確認可能 | 雇用保険被保険者証、資格取得等確認通知書 |
| 受講前のキャリア相談 | 受講者本人 | ジョブ・カード、キャリアコンサルティングの記録 |
| 受給資格確認 | 受講者本人がハローワークへ提出 | 受給資格確認に必要な申請書類 |
| 受講と修了 | 受講者と教育訓練施設 | 出席記録、修了証明書、領収書 |
| 支給申請 | 受講者本人 | 支給申請書、修了証明書、対象経費の領収書 |
雇用保険の加入手続きが漏れていると思われる場合は、本人がハローワークへ確認照会を申請できます。
加入条件と確認方法は、厚生労働省の雇用保険加入確認案内に示されている。
教育訓練給付金の申請先や書類は、厚生労働省の支給申請手続案内で区分別に整理されています。
受講前の2週間を仕事の予定表へ入れる
特定一般と専門実践を在職中に受ける場合、受講開始日から逆算して2週間前までに受給資格確認を終える。
キャリアコンサルティングの予約が取れないと、講座の開始日を変える必要が出るため、スクールへの申込前に日程を確認します。
次のように、仕事の予定と制度の期限を一枚にまとめます。
- 講座の指定区分と受講開始日を検索システムで確認する。
- 勤務シフト、残業が多い時期、試験日を講座の授業予定と重ねる。
- 特定一般または専門実践なら、キャリアコンサルティングとジョブ・カードの予約日を決める。
- 受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認を済ませる。
- 受講料の支払い記録、修了要件、申請期限をフォルダに保管する。
講座の指定状況は、教育訓練講座検索システムで講座名と開始日を照合します。
ハローワークは、特定一般と専門実践の受講前手続きについて、教育訓練給付金の受給資格確認案内で説明しています。
勤務時間と修了要件を30万円の例で確かめる
仮に受講料30万円の一般教育訓練を、週5日勤務の会社員が受けるとします。
給付の計算上は6万円ですが、受講料の24万円は先に支払う必要があり、受講時間が勤務と重なれば給付額だけでは解決しません。
| 項目 | 金額または確認内容 |
|---|---|
| 教育訓練経費 | 30万円がすべて対象経費と仮定 |
| 一般教育訓練の基本給付 | 30万円 × 20%で6万円 |
| 受講前の家計負担 | 支給前に30万円を用意する必要がある |
| 勤務との調整 | 授業、実習、試験が勤務時間と重ならないか確認 |
給付率は受講料の値引きではなく後払いです。
受講前に30万円を支払えるか、修了まで勤務と学習を続けられるかを先に判断します。
対象経費の範囲は、厚生労働省の教育訓練経費Q&Aで確認できます。
パソコン代や交通費などを含めて支給額を見積もると、実際の給付額より大きく見積もることになります。
会社に伝える範囲は受講形態と就業規則で決める
教育訓練給付金の申請自体は、会社の承認を受ける手続きではありません。
一方で、勤務時間中に受講する、休暇を取る、会社の研修制度を使う場合は、就業規則や上司への申請が必要になります。
会社へ伝える情報を最小限にしたい場合でも、勤務に影響する日程まで隠すと、欠勤や修了失敗につながります。
受講料を会社が立て替える場合は、本人が支払った教育訓練経費として扱えるかも変わるため、給付金と会社補助の条件を分けて確認します。
支給申請の手続きは、厚生労働省の支給申請手続案内で確認できます。
勤務先への共有範囲と申請の関係は、教育訓練給付金の申請は会社に知られる?証明が必要な場面で後続記事として整理する予定です。
現時点では、支給申請先がハローワークであることと、勤務上の調整先が会社であることを分けて考えます。
在職中の教育訓練給付金に関するよくある質問
会社の許可がないと教育訓練給付金を申請できませんか?
教育訓練給付金の支給申請は、受講者本人がハローワークへ行うため、会社の許可が受給要件になる制度ではありません。
ただし、勤務時間と授業が重なる場合の休暇や勤務変更は、就業規則に従って会社へ申請します。
給付の手続きと勤務の調整を別に管理します。
在職中に専門実践教育訓練を受けると、50%はいつ支給されますか?
専門実践教育訓練の基本給付は、受講中の6か月ごとに申請して支給されます。
在職中か離職中かだけで支給時期が変わるわけではなく、受講期間、修了、申請期限、対象経費の条件で決まります。
受講開始前の資格確認を先に終えます。
雇用保険被保険者証が手元にないときはどうしますか?
勤務先から交付された資格取得等確認通知書や給与明細の雇用保険料控除だけで判断せず、ハローワークへ加入記録を照会します。
事業主の届出が未処理でも、適用基準を満たしていれば遡って確認できる場合があります。
照会に必要な本人確認書類は窓口で案内を受けます。
仕事が忙しく修了できなかった場合、給付金は受け取れますか?
指定講座の修了要件を満たさなければ、一般教育訓練や特定一般教育訓練の基本給付は支給されません。
専門実践も、支給単位期間の受講状況や修了条件を満たす必要があります。
申し込む前に、授業時間と試験日を勤務予定へ置いて継続できるか判定します。
仕事を続ける人は、申請日より先に学習時間を確保する
在職中の教育訓練給付金は、会社員であることが不利になる制度ではありません。
雇用保険の記録と講座の修了条件を満たせば、本人がハローワークへ申請できます。
- 会社の雇用保険手続きと、本人の給付申請を分けて管理します。
- 特定一般と専門実践は、受講開始日の2週間前までの受給資格確認を予定表へ入れます。
- 給付は後払いなので、受講料と勤務調整の両方を先に計算します。
- 修了証明書と領収書は、受講開始日から同じ場所へ保管します。
退職後に受講を始める可能性がある場合は、退職後に教育訓練給付金を使える期間と1年を過ぎる前の対策で離職日からの期限を確認できます。




