AWS、Google Cloud、Microsoft Azureには、AIエージェントを開発し、本番運用するためのマネージド基盤があります。 モデルの数だけを比べても、実際の選定には足りません。 社内データへの接続、エージェントのID、実行履歴、既存クラウドとの統合を並べると、自社に合う基盤が見えます。
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| 基盤 | 主なサービス | 選びやすい条件 |
|---|---|---|
| AWS | Amazon Bedrock AgentCore | AWSのIAM、CloudWatch、既存システムを使う |
| Google Cloud | Vertex AI Agent Engine | Vertex AI、BigQuery、Google Cloudを使う |
| Azure | Microsoft Foundry Agent Service | Entra ID、Microsoft 365、Azureを使う |
AWSはAgentCoreで実行、ID、監視を組み合わせる
Amazon Bedrock AgentCore Runtimeの公式資料では、複数のモデルやエージェントフレームワークを動かし、必要な計算資源を動的に割り当てる実行環境として説明しています。Bedrockのモデルだけに固定せず、他社モデルを使う構成も選べます。
AgentCore Identityの資料では、エージェント固有のID、利用者代理の認証、外部サービスの認証情報を管理できます。AWSを選ぶ場合は、モデルより先にIAMと既存アカウント設計へ接続できるかを確認します。
Google CloudはAgent Engineでデプロイと拡張を管理する
Vertex AI Agent Engineの公式資料では、エージェントのデプロイ、管理、スケーリングを扱うサービス群として説明しています。マネージド実行環境を利用し、アプリケーションの処理へ集中できる構成です。
BigQueryやVertex AI Searchなど、すでにGoogle Cloudへデータを集めている企業では接続設計を単純にしやすくなります。ただし、必要なセキュリティ機能がAgent Engineで対応しているか、地域と提供状況を個別に確認します。
AzureはFoundryでモデル、ツール、IDを一つに管理する
Microsoft Foundry Agent Serviceの公式資料では、モデル、ツール、ホスティング、Microsoft Entra ID、監視を一つの開発運用サイクルで扱えます。SharePointやAzure AI Searchなど、Microsoft環境のデータとつなぐ構成が比較しやすい基盤です。
| 比較項目 | AWS | Google Cloud | Azure |
|---|---|---|---|
| ID管理 | AgentCore Identity、IAM | Google Cloud IAM | Entra ID、RBAC |
| 実行環境 | AgentCore Runtime | Agent Engine | Foundry Agent Runtime |
| 監視 | CloudWatch | Cloud Loggingなど | Application Insights |
| 代表的な接続先 | AWSサービス、外部API | BigQuery、Vertex AI | SharePoint、Fabric、Azure AI Search |
| 選定の起点 | AWS運用資産 | データ分析基盤 | Microsoft業務環境 |
運用ではモデルより追跡可能性が重要になる
AgentCore Observabilityの導入資料では、モデル呼び出し、ツール実行、トークン利用を追跡する方法が示されています。Azure Foundryにもトレースと評価、Google Cloudにもログと監視の仕組みがあります。
本番運用前のチェックリスト。
- 利用者とエージェントを別のIDで追える
- モデル呼び出しとツール実行を一つの追跡IDで見られる
- 入出力に含まれる機密情報をログから除外できる
- モデル変更前後の評価結果を保存できる
- 失敗時に処理を再開または中止できる
エージェントは一回の回答より処理経路が長くなります。正解率だけでなく、どのデータを読み、どのツールを呼び、どこで人が承認したかを再現できる基盤を選びます。
小さな実装で既存環境との相性を比べる
比較検証では、同じFAQ検索や申請書確認を三つの基盤へ実装し、精度だけを競わせないことが重要です。認証設定、データ接続、デプロイ、ログ確認までに必要な作業を記録します。
評価項目。
- 初回デプロイまでの時間
- 既存IDとデータ接続の手間
- 一処理当たりのモデルと実行費用
- ログから失敗原因を特定する時間
- 開発者以外が運用できる範囲
AIエージェントの作り方では、基盤選定前に決める目的、ツール、状態管理、評価の流れを確認できます。
クラウドのAIエージェント基盤でよくある質問
使えるモデルが多い基盤を選べばよいですか?
モデルの選択肢は重要ですが、業務データ、ID管理、監視、既存の運用体制との接続も同じくらい重要です。候補モデルが要件を満たすなら、周辺システムまで含めた導入と運用の負担で比較してください。
一つのクラウドに統一する必要はありますか?
必ずしも統一する必要はありません。ただし、複数クラウドにまたがると認証、通信、ログ、費用管理が複雑になります。別クラウドを選ぶ明確な利点がなければ、主要データがある環境から検証する方が進めやすくなります。
PoCでは何を完成させればよいですか?
画面上の回答だけでなく、認証、データ接続、ツール実行、監査ログ、失敗時の停止まで一巡させます。本番に近い権限の検証用アカウントを使い、運用担当者が原因を追えるかも合格条件に含めます。
既存のID、データ、監視へ自然につながる基盤を選ぶ
AWS、Google Cloud、Azureはいずれもエージェントを本番運用できます。決め手はモデルの名前ではなく、自社の認証、データ、監視、開発体制へ無理なく組み込めるかです。
- AWSはAgentCoreとAWS運用資産の統合を見る
- Google CloudはVertex AIとデータ基盤の近さを見る
- AzureはEntra IDとMicrosoft業務環境の統合を見る
- 同じ小さな業務で構築から監視まで比較する
業務アプリケーション側の基盤も比較するなら、SalesforceとUiPathのAIエージェントで、CRM中心と業務プロセス中心の違いを確認できます。




