エンジニア5年目の年収は、職種・担当範囲・勤務先によって異なります。5年目だけの共通相場は示せません。
目安を知るには、公的データを確認し、自分と近い仕事内容の求人を比べます。
平均年収を、そのまま自分の適正年収と考えないことが大切です。
希望年収は、現在の年収、応募先で任される仕事、給与の内訳をそろえて考えましょう。
公的データの年収578.5万円は「5年目の平均」ではない
厚生労働省のjob tagでは、Webサービス開発のシステムエンジニアに対応する年収データを確認できます。
全国の年収は578.5万円です。令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査をもとにした値です。
ただし、対応する職業分類全体の統計で、Web開発だけ、実務5年目だけの平均ではありません。
出典:job tag「システムエンジニア(Webサービス開発)」(2026年10月7日確認)
同ページには、ソフトウェア開発スペシャリストのスキル別年収も掲載されています。
| ITSSレベル | 年収の参考範囲 |
|---|---|
| 1〜2 | 435.0〜600.0万円 |
| 3 | 450.0〜695.0万円 |
| 4 | 500.0〜750.0万円 |
| 5以上 | 550.0〜866.0万円 |
この表は、2023年度の厚生労働省委託調査による、ソフトウェア開発スペシャリストのデータです。
範囲は第一四分位から第三四分位、つまり調査対象の中央50%です。最低額・最高額ではありません。
5年目がITSSレベル5という意味でもありません。経験年数とスキルレベルは分けて考えます。
IPAのレベル定義を参照し、独力で任される業務や判断の範囲を振り返ってください。
年収を比べるときは、職種と担当範囲をそろえる
同じ5年目でも、実装中心、設計を含む担当、リーダーでは任される仕事が異なります。
まず、現在の給与を税金や社会保険料が引かれる前の額面年収で整理します。
次に、自分の経験に近い求人の必須条件と、想定される業務を確認しましょう。
- 職種:開発、インフラ、運用など
- 工程:要件定義、設計、実装、テストなど
- 役割:担当者、レビュー担当、リーダーなど
- 条件:勤務地、勤務時間、出社頻度など
求人に「年収500〜800万円」とあっても、全員が800万円で採用されるという意味ではありません。
どの業務を任せる場合の金額なのか、選考で自分に提示される条件を確認します。
今の年収が統計より低くても、直ちに転職すべきとは限りません。社内の評価や昇給の条件も比べましょう。

年収が同じでも、賞与や固定残業代の違いを確認する
月給の高さだけで比較すると、賞与や残業代の扱いを見落としやすくなります。
次は、給与の内訳を比べるための架空の計算例です。
| 条件 | A社の例 | B社の例 |
|---|---|---|
| 月給 | 32万円 | 37.5万円 |
| 賞与 | 年64万円を想定 | なし |
| 年収の計算 | 32万円×12+64万円=448万円 | 37.5万円×12=450万円 |
| 残業代 | 月給とは別に支給 | 月40時間分の固定残業代を含む |
この例では額面年収は近くても、含まれる残業代の条件が違います。
賞与の金額が確定しているか、固定残業代の金額・対象時間・超過分の扱いを確認してください。
通勤費、手当、休日、繁忙期の勤務時間も、実際の働き方に影響します。
提示条件は、求人の見出しだけでなく、労働条件の書面でも確認しましょう。
希望年収は、経験と任される業務を添えて伝える
「相場がこの金額だから」と伝えるだけでは、自分の希望の根拠が分かりにくくなります。
現在の年収、応募先に生かせる経験、希望額の順で整理してみてください。
次は、Java経験5年のバックエンドエンジニアを想定した架空の回答例です。
現在の額面年収は480万円です。Javaの開発を5年経験し、詳細設計からテストまで担当しています。
今回は設計に加え、レビューも担う募集内容を踏まえ、550万円を希望しています。
賞与と固定残業代の内訳、担当範囲も確認したうえで相談したいです。
550万円はこの例の希望額で、市場相場や提示額を保証する数字ではありません。
未経験の仕事を前提に希望する場合は、今できることと、今後の役割への期待を分けて話します。
「最低いくらですか」と聞かれた場合
現年収を下回らない条件を基本に考えています。勤務時間や担当業務も含めて判断したいです。
生活上必要な額、仕事内容、働き方の優先順位を自分の中で決めておきましょう。
会社員の年収と、フリーランスの売上は別の金額
「月額単価×12」を会社員の年収とそのまま比べると、稼働しない月や経費を見落とします。
例えば、月額60万円で年間10か月稼働すれば、売上は600万円です。これは架空の計算例です。
経費が年間100万円なら、差し引きは500万円です。ここから税金や社会保険などの負担も考えます。
この500万円は手取り額ではありません。単価も、5年目の平均を示したものではありません。
フリーランスを検討する方は、希望報酬単価の診断ツールで月額の希望を整理できます。
このツールは業務委託の月額報酬向けです。会社員の希望年収を診断するものではありません。
年収を上げたいときは、評価条件と次の仕事を確認する
まず、今の職場で、昇給に必要な役割や評価の時期を聞きましょう。
転職する場合は、複数の求人で業務と条件を比較し、自分の経験を具体的に説明します。
「5年目なのに低い」という不安だけで判断せず、どの仕事と待遇なら納得できるかを決めてください。
経験の整理は、スキルの棚卸しの具体例も使えます。
面接での伝え方は、エンジニアの転職面接の質問・回答例にまとめています。
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