AIエージェントのワークフローは、業務を開始条件、処理、判断、例外、完了へ分解し、固定する工程とモデルへ選ばせる工程をつないで作ります。 順序と分岐が決まっている部分はコードで固定し、状況によって使う情報や道具が変わる部分だけを自律判断にします。 すべてを自由にさせるより、予測できる骨格の中へ必要な判断を置く方が評価しやすくなります。
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| 工程 | 固定する内容 | 自律判断にする候補 |
|---|---|---|
| 開始 | 入力形式、認証 | 依頼意図の分類 |
| 収集 | 接続先、取得上限 | 検索語、情報源の選択 |
| 処理 | 必須項目、禁止事項 | 分析手順、道具の選択 |
| 確認 | 検証項目、承認条件 | 不足情報の再収集 |
| 終了 | 保存先、通知先 | 続行か引き継ぎか |
最初に正常系と例外系を業務の言葉で描く
実装前に分ける、開始から完了までの通常経路と、情報不足や外部エラーが起きた経路。 この段階ではモデル名や開発基盤ではなく、担当者が説明できる業務状態を使います。
請求書の確認なら、流れは次の通りです。
- ファイルを受け取る
- 取引先、金額、日付を抽出する
- 発注記録と照合する
- 一致すれば承認候補へ入れる
- 不一致なら理由を付けて人へ渡す
この五段階のうち、入力形式や照合条件は固定できます。 表記揺れの判断や不足資料の特定は、モデルを使う候補です。
固定経路と自律型は進め方を誰が決めるかで違う
Anthropicの設計ガイドは、ワークフローをあらかじめ定義したコード経路、エージェントをモデルが動的に処理とツール利用を決める仕組みとして区別しています。
| 観点 | 固定ワークフロー | 自律型エージェント |
|---|---|---|
| 次の手順 | コードが決める | モデルが状態から選ぶ |
| 再現性 | 高い | 経路が変わり得る |
| 例外対応 | 定義済みの分岐 | 代替手段を選べる |
| 評価 | 分岐ごとに確認 | 複数の経路を確認 |
| 費用 | 予測しやすい | 推論と再試行で変動 |
固定と自律は二者択一ではありません。 固定した受付と承認の間に、検索方法を選ぶエージェントを置くように組み合わせられます。
処理の依存関係から順次、並列、反復を選ぶ
工程は、前の結果が必要な処理、同時に進められる処理、品質を見て繰り返す処理の三種類。 Google Cloudの設計パターン選択ガイドは、単体と複数エージェントを含む構成を、責任、複雑さ、運用負荷から選ぶ方法を示しています。
- 順次は、抽出してから検証するような依存関係に使う
- 並列は、複数情報源の調査や独立した検査に使う
- 反復は、評価結果を基に下書きを改善する場合に使う
- 条件分岐は、依頼種類やリスクで経路を変える場合に使う
並列化できない工程を無理に同時実行すると、未確定の結果を参照してやり直しが増えます。 依存関係を先に描くことが、速度より先です。
終了条件と人への引き継ぎを先に決める
エージェントは、結果が十分か判断できないと探索や修正を続けます。 OpenAIの実践ガイドは、道具、指示、安全策を組み合わせ、複雑さを段階的に増やす考え方を説明しています。
終了条件に用意する、成功、失敗、保留の三状態。
- 成功は必須項目と検証をすべて満たす
- 失敗は回復不能なエラーや禁止条件に当たる
- 保留は情報不足、低い確信、承認待ちにする
- 最大試行回数と制限時間を超えたら人へ渡す
NISTのAIリスク管理枠組みに沿って、利用状況の変化を測り、停止条件と承認範囲を更新します。 正常終了だけを設計しないことが、運用での安全性につながります。
実行履歴は状態遷移として記録する
「失敗した」という一行だけでは見えない、入力、モデル判断、ツール、外部サービスの原因。 Google Cloudの企業システム連携構成は、調整役、バックエンド、ツール、人の承認経路を分けています。
各手順で、処理番号、開始状態、使用ツール、入力の要約、結果、次の状態を記録します。 個人情報や認証情報をそのままログへ残さず、追跡に必要な範囲へ絞ります。
AIエージェントのアーキテクチャも確認すると、ワークフローをどの層が制御するか整理できます。
AIエージェントのワークフローでよくある質問
ワークフロー全体をAIに作らせてもよいですか?
たたき台には使えても、担当者の確認が必要な業務責任、禁止操作、法的要件、承認者。 AIが提案した流れをそのまま実行せず、正常系と例外系を現場の担当者が読み合わせ、テスト例へ変換してください。
自律型にする工程はどう選びますか?
状況により手順が変わり、複数の妥当な選択肢があり、結果を後から検証できる工程が候補です。 固定ルールで十分な部分はコードへ残します。 自律判断の価値が追加費用と評価負担を上回るかで決めます。
外部サービスが停止した場合はどうしますか?
再試行の回数と間隔を決め、それを超えたら保留状態にして人へ通知します。 同じ登録や送信を重複実行しない識別子を持たせ、復旧後にどの状態から再開するかを記録しておきます。
予測できる骨格の中に必要な自律性を置く
AIエージェントのワークフローは、自由な判断と固定した業務統制をつなぐ設計です。 正常系だけでなく、例外、保留、停止を同じ状態図へ入れると、試験と運用をつなげられます。
- 業務の正常系と例外系を先に描く
- 固定手順は再現性、自律判断は例外対応に向く
- 依存関係から順次、並列、反復を選ぶ
- 終了状態には成功、失敗、保留の三つがある
- 実行履歴を状態遷移として残す
処理をまたいで何を保持するか決めるなら、次はAIエージェントの記憶設計で、短期と長期の使い分けを考えられます。




