「産休に入ったのに、給付金がなかなか届かない…」
「貯金がどんどん減っていって不安…」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、産休中は基本的に給与が支払われないため、多くの方がお金の不安に直面します。しかし、公的な給付金制度や自治体の支援策をうまく活用すれば、この期間を乗り切ることができますので、安心してください。
本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。
- 産休中にもらえる給付金・手当と具体的な金額
- 給付金が届くまでの期間と「入金が遅い」理由
- 今すぐできるお金の対処法10選
- 産休中の支出を減らす節約術・家計管理のコツ
産休中のお金の不安を少しでも軽くできるよう、具体的な対処法を丁寧にご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
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【結論】産休中にお金がない時の対処法一覧
産休中にお金がなくて困っている方に、まず結論からお伝えします。厚生労働省では、出産に関するさまざまな給付金制度を設けており、これらを正しく理解して活用することが大切です。
産休中のお金の問題に対処するには、「すでにもらえるはずの給付金を確実に受け取る」「自治体の支援制度を活用する」「支出を見直す」という3つの観点から取り組むことが重要になります。
以下の表で、緊急度別・難易度別に対処法を整理しましたので、ご自身の状況に合わせて参考にしていただければと思います。
対処法の比較表(緊急度別・難易度別)
| 対処法 | 緊急度 | 難易度 | 受け取れる金額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| 出産育児一時金の差額申請 | 高 | 低 | 数万円〜50万円 | 健康保険組合 |
| 出産・子育て応援給付金 | 高 | 低 | 10万円 | 市区町村 |
| 住民税の減免・猶予申請 | 高 | 中 | 数万円〜数十万円 | 市区町村 |
| 緊急小口資金の利用 | 高 | 中 | 最大10万円 | 社会福祉協議会 |
| 生命保険の契約者貸付 | 中 | 低 | 解約返戻金の範囲内 | 保険会社 |
| 固定費の見直し | 中 | 低 | 月数千円〜数万円 | 各サービス会社 |
| 医療費控除の申請 | 低 | 中 | 数千円〜数万円 | 税務署 |
| 高額療養費制度の利用 | 低 | 中 | 数万円〜 | 健康保険組合 |
この表を見ていただくとお分かりのように、緊急度が高い対処法ほど早めに行動を起こすことが大切です。
特に「出産・子育て応援給付金」は、妊娠届出時と出生届出時に合計10万円相当が支給される制度ですので、まだ申請していない方は早めに手続きを行いましょう。
今すぐできる対処法(自治体支援・社会保険料免除など)
日本年金機構では、産休・育休中の社会保険料免除制度について詳しく案内しています。この制度を活用すれば、産休・育休中の健康保険料と厚生年金保険料が免除されるため、毎月の負担を大幅に減らすことができます。
社会保険料の免除は、会社を通じて申請する必要がありますが、免除されている期間も将来の年金額には影響しないという大きなメリットがあります。つまり、保険料を払っていないのに、払ったものとして年金額が計算されるのです。
まだ手続きをしていない方は、会社の人事・総務担当者に確認してみてください。
また、自治体によっては独自の支援制度を設けているところもあります。
例えば、東京都では「018サポート」として、都内在住の18歳以下の子どもに対して1人あたり月額5,000円を支給する制度があります。
お住まいの自治体のホームページを確認するか、窓口に相談することをおすすめします。
1週間以内にできる対処法(家族への相談・固定費見直し)
産休中のお金の問題を解決するためには、収入を増やすだけでなく、支出を減らすという視点も重要です。
1週間以内にできる具体的な対処法としては、まず固定費の見直しがあります。携帯電話料金を格安SIMに変更するだけで、月に数千円の節約になることもありますし、保険の見直しによって不要な保障を外すことで保険料を下げることも可能です。
また、ご家族に一時的な援助を相談することも選択肢の一つです。産休中は一時的に収入が減る期間ですから、給付金が入金されるまでの「つなぎ」として、親御さんや兄弟姉妹に相談してみるのも良いでしょう。
返済計画を立てた上で相談すれば、協力してもらえる可能性が高まります。
産休前にやっておくべき対処法
産休前に準備しておくことで、給付金の入金をスムーズにすることができます。
まず、産休前に確認しておくべきことは、ご自身が加入している健康保険の種類と、それぞれの給付金の申請方法です。会社の健康保険組合に加入している方と、協会けんぽに加入している方では、申請先や必要書類が異なる場合があります。
また、産休前に最低3ヶ月分の生活費を貯金しておくことが理想的です。出産手当金や育児休業給付金は、産後2〜3ヶ月経ってから入金されることが多いため、その間の生活費を確保しておく必要があります。毎月の生活費が20万円の場合、60万円程度の貯金があると安心です。
産休中にもらえる給付金・手当は全部でいくら?
産休中には、複数の給付金や手当を受け取ることができます。
出産育児一時金だけでも50万円が支給されますが、これに加えて出産手当金や育児休業給付金なども受け取ることができます。
ここでは、産休中にもらえる主な給付金について、金額や受給条件を詳しく解説していきます。
「結局いくらもらえるの?」という疑問にお答えできるよう、具体的な金額シミュレーションもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
出産育児一時金(50万円)の仕組みと受け取り方
出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産したときに、子ども1人につき原則50万円が支給される制度です。2023年4月に42万円から50万円に増額されました。
出産育児一時金の最大のメリットは、「直接支払制度」を利用できることです。
この制度を使えば、出産費用から出産育児一時金を差し引いた金額だけを病院の窓口で支払えばよいため、事前に大きなお金を用意する必要がありません。例えば、出産費用が55万円だった場合、窓口で支払うのは5万円だけで済みます。
逆に、出産費用が50万円を下回った場合は、差額を後から受け取ることができます。出産費用が45万円だった場合、5万円の差額が健康保険組合から振り込まれます。
ただし、この差額申請は自動的に行われるわけではなく、ご自身で申請する必要がありますので注意してください。
出産育児一時金の申請期限は出産日の翌日から2年以内となっていますが、忘れずに申請することが大切です。
また、産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合や、妊娠22週未満での出産の場合は48.8万円となりますので、事前に確認しておきましょう。
出産手当金の計算方法と具体的な金額例
出産手当金は、会社員や公務員など、健康保険に加入している方が産休中に受け取れる給付金で、給与が支払われない期間の生活を支えるための重要な制度です。
出産手当金の金額は、「支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30×2/3」という計算式で算出されます。簡単に言うと、お給料の約3分の2が支給されるイメージです。
例えば、標準報酬月額が30万円の方の場合、1日あたりの支給額は「30万円÷30×2/3=約6,667円」となります。出産手当金は産前42日(多胎妊娠の場合は98日)+産後56日の最大98日間支給されますので、98日間受給した場合は「6,667円×98日=約65万円」を受け取ることができます。
ただし、出産手当金を受け取るためには、いくつかの条件があります。
勤務先の健康保険に加入していること、妊娠4ヶ月(85日)以上の出産であること、出産のために休業していることが主な条件です。パートやアルバイトの方でも、健康保険に加入していれば受給対象となりますので、確認してみてください。
育児休業給付金の金額と受給条件
育児休業給付金は、雇用保険に加入している方が育休を取得した際に受け取れる給付金で、育休開始から180日目までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%が支給されます。
育児休業給付金を受給するための主な条件は、雇用保険の被保険者であること、育児休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることです。正社員だけでなく、パートやアルバイトの方でも、これらの条件を満たしていれば受給できます。
例えば、休業前の月給が25万円の方が育休を取得した場合、最初の180日間は「25万円×67%=約16.75万円」、181日目以降は「25万円×50%=12.5万円」が支給されます。子どもが1歳になるまで育休を取得した場合、合計で約170万円を受け取ることができる計算です。
なお、育児休業給付金は非課税であり、育休中は社会保険料も免除されるため、実質的な手取りは休業前の約8割程度が確保できると言われています。
【2025年新制度】出生後休業支援給付金とは
2025年4月から「出生後休業支援給付金」という新しい制度がスタートしました。
この制度は、夫婦ともに育休を取得した場合に、従来の育児休業給付金に上乗せして支給されるもので、「育休中の手取り10割」を実現する画期的な制度です。
具体的には、子どもの出生後の一定期間内に、夫婦それぞれが14日以上の育児休業を取得した場合、休業前賃金の13%が追加で支給されます。従来の育児休業給付金(67%)と合わせると80%となり、社会保険料免除の効果も考慮すると、手取りベースでほぼ100%が確保できる計算になります。
この制度の対象期間は、父親は子の出生後8週間以内、母親は産後休業後8週間以内となっています。最大28日分まで支給されますので、月給25万円の方の場合、追加で約10万円を受け取ることができます。
ただし、配偶者が専業主婦(主夫)の場合やひとり親家庭の場合など、一定の条件を満たせば本人のみの育休取得でも支給対象となります。
詳しくはお住まいの地域のハローワークや、勤務先の人事担当者に確認することをおすすめします。
月収25万円の場合のシミュレーション例
これまでご紹介した給付金を、月収25万円の方を例に具体的にシミュレーションしてみましょう。
日本年金機構の情報を参考に、産休から育休1年間で受け取れる金額の目安を計算します。
【シミュレーション条件】
- 月収(標準報酬月額):25万円
- 産前休業:42日間
- 産後休業:56日間
- 育児休業:子どもが1歳になるまで
【受け取れる金額の目安】
| 給付金の種類 | 金額の目安 |
|---|---|
| 出産育児一時金 | 50万円 |
| 出産手当金(98日間) | 約54万円 |
| 育児休業給付金(1年間) | 約170万円 |
| 出生後休業支援給付金(28日間) | 約10万円 |
| 合計 | 約284万円 |
このシミュレーションからわかるように、産休・育休中も約284万円の給付金を受け取ることができます。
ただし、これらの給付金は一度に支給されるわけではなく、数ヶ月にわたって分割で入金されます。
次の章では、給付金がいつ届くのかについて詳しく解説していきます。
給付金はいつ届く?入金が遅い理由と対処法
「給付金がなかなか届かない…」というお悩みは、産休中の方から特に多く寄せられます。
出産手当金は、産後に申請してから入金まで2〜3ヶ月かかることが一般的です。
なぜ給付金の入金にこれほど時間がかかるのか、そしてどうすれば少しでも早く受け取ることができるのか、具体的に解説していきます。
出産手当金の入金時期(産後2〜3ヶ月後が目安)
出産手当金の申請から入金までには、通常1〜2ヶ月程度かかります。
ただし、これは申請してからの期間であり、実際に申請できるのは出産後になるため、出産日から数えると2〜3ヶ月後の入金となることが多いです。
出産手当金は、産前産後をまとめて1回で申請することも、産前分と産後分を分けて申請することも可能です。少しでも早く入金を受けたい場合は、産前分だけを先に申請するという方法もあります。
ただし、申請には医師または助産師の証明が必要なため、出産する病院に確認しておくと良いでしょう。
入金のタイミングの目安として、例えば4月1日に出産した場合、産後56日間の産後休業が終わるのが5月下旬、そこから申請手続きを行い、審査を経て入金されるのが7月〜8月頃となります。
この間、給与が支払われないため、事前の貯金や他の対処法で乗り切る必要があります。
育児休業給付金の入金時期(申請から約2ヶ月後)
育児休業給付金は、原則として2ヶ月ごとにまとめて支給されます。初回の申請は育休開始日から4ヶ月以内に行う必要があり、支給は申請から約2〜3週間後となります。
例えば、6月1日から育休を開始した場合、初回の支給対象期間は6月1日〜7月31日の2ヶ月間となります。この期間の申請を8月に行い、審査を経て9月頃に最初の入金があるというイメージです。
育児休業給付金の申請は、原則として会社を通じて行います。会社の担当者が手続きを行ってくれますが、書類の準備や提出が遅れると、入金も遅くなってしまいます。育休に入る前に、必要書類や手続きのスケジュールを会社の人事担当者に確認しておくことをおすすめします。
入金が遅れる4つの原因と早める方法
日本年金機構の情報を参考に、給付金の入金が遅れる主な原因と、早めるための対策をご紹介します。
原因1:申請書類の不備 申請書類に記入漏れや誤りがあると、審査がやり直しになり、入金が遅れてしまいます。対策としては、申請前に書類を複数回確認し、不明点があれば健康保険組合やハローワークに問い合わせることが大切です。
原因2:会社側の手続きの遅れ 会社を通じて申請する給付金の場合、会社の担当者の対応が遅れると入金も遅くなります。対策としては、育休に入る前に担当者と手続きのスケジュールを確認し、必要書類を早めに準備しておくことです。
原因3:健康保険組合の審査に時間がかかる 年度末や年度初めなど、申請が集中する時期は審査に時間がかかることがあります。対策としては、可能であれば混雑する時期を避けて申請することですが、出産時期は選べないため、早めに申請することが重要です。
原因4:医師の証明書の取得に時間がかかる 出産手当金の申請には、医師または助産師の証明が必要です。出産する病院によっては、証明書の発行に時間がかかることがあります。対策としては、出産前に病院に証明書の発行について確認し、退院時に依頼しておくことです。
会社・健康保険組合への確認方法
給付金の入金状況を確認したい場合は、会社の人事・総務担当者または健康保険組合に問い合わせることができます。
電話で問い合わせる際は、以下の情報を手元に準備しておくとスムーズです。
- 被保険者証の記号・番号
- 氏名、生年月日
- 申請した給付金の種類
- 申請日(わかる場合)
また、多くの健康保険組合では、Webサイトから支給状況を確認できるサービスを提供しています。ご加入の健康保険組合のWebサイトをチェックしてみてください。
入金が遅れていると感じた場合は、遠慮せずに問い合わせることが大切です。
「審査中」なのか「書類に不備があるのか」など、状況を把握することで、適切な対応を取ることができます。
【今すぐできる】お金がない時の具体的な対処法5選
給付金の入金を待っている間、生活費が足りなくなってしまった場合は、今すぐできる対処法を活用しましょう。
ここでは、厚生労働省や各自治体が提供している支援制度を中心に、具体的な対処法をご紹介します。
自治体の緊急小口資金・総合支援資金を借りる
社会福祉協議会では、生活に困窮している方向けに「緊急小口資金」という貸付制度を提供しています。この制度は、緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に、最大10万円まで無利子で借りることができるものです。
緊急小口資金の特徴は、無利子であること、連帯保証人が不要であること、返済の据え置き期間が2ヶ月あることです。産休中で給付金の入金を待っている方にとって、つなぎ資金として活用しやすい制度と言えます。
申請は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会で行います。申請から入金までは1〜2週間程度かかることが多いですが、緊急の場合は対応してもらえることもあります。まずは電話で相談してみることをおすすめします。
ただし、緊急小口資金は「低所得者世帯」が対象となっているため、世帯の収入状況によっては利用できない場合もあります。また、返済の見通しが立つことも条件となっていますので、給付金の入金後に返済できる計画を立てておくことが大切です。
出産・子育て応援給付金(10万円)を申請する
こども家庭庁では、「出産・子育て応援交付金事業」について案内しています。
この制度は、妊娠届出時と出生届出時に、合計10万円相当(現金またはクーポン等)が支給されるものです。
具体的には、妊娠届出時に5万円相当、出生届出時に5万円相当が支給されます。自治体によって支給方法(現金、電子クーポン、紙クーポンなど)は異なりますが、全国どこでも受け取ることができます。
申請方法は自治体によって異なりますが、多くの場合、妊娠届出時や出生届出時に案内があります。
まだ受け取っていない方は、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせてみてください。
この給付金は、妊婦や子育て家庭への伴走型相談支援とセットで実施されているため、申請時に保健師等との面談がある場合もあります。産休中の不安やお悩みを相談する良い機会にもなりますので、ぜひ活用してください。
住民税の減免・猶予制度を利用する
産休・育休中は収入が減少するため、住民税の支払いが負担になることがあります。
このような場合、住民税の減免や猶予を申請できる場合があります。
住民税の減免は、災害や失業、病気などにより収入が著しく減少した場合に適用される制度です。産休・育休による収入減少が対象になるかどうかは自治体によって異なりますが、まずは窓口に相談してみる価値はあります。
減免が難しい場合でも、「徴収猶予」という制度を利用できる場合があります。
これは、支払いを一定期間猶予してもらえる制度で、給付金が入金されてから支払うことができます。
住民税の相談は、お住まいの市区町村の税務課で行えます。滞納してしまう前に、早めに相談することが大切です。相談することで、分割払いなどの柔軟な対応をしてもらえることもあります。
生命保険の契約者貸付制度を活用する
生命保険に加入している方は、「契約者貸付制度」を利用できる場合があります。
契約者貸付とは、加入している生命保険の解約返戻金の範囲内でお金を借りることができる制度です。金利は一般的なカードローンより低く、審査も不要なため、急にお金が必要になった場合に活用しやすい制度です。
例えば、終身保険や学資保険など、貯蓄性のある保険に加入している場合、解約返戻金の70〜90%程度まで借りることができます。返済は、保険料と一緒に支払うことも、まとめて返済することも可能です。
ただし、借りたお金には利息がつきますし、返済できないまま保険が満期を迎えたり、解約したりすると、借りた金額が差し引かれます。
あくまでも一時的なつなぎ資金として活用し、給付金が入金されたら早めに返済することをおすすめします。
家族に一時的な援助を相談する
産休中のお金の問題を解決する方法として、ご家族に一時的な援助を相談することも選択肢の一つです。
特に、給付金の入金までの「つなぎ」として借りる場合は、返済の見通しが立っているため、相談しやすいのではないでしょうか。
家族に相談する際のポイントは、以下の点を明確に伝えることです。
- なぜお金が必要なのか(給付金の入金が遅れているなど)
- いくら必要なのか
- いつ返済できるのか(出産手当金が入金される〇月頃など)
お金の話は難しいものですが、産休中は一時的に収入が減る期間であり、給付金という「返済原資」があることを説明すれば理解してもらいやすいかもしれません。
また、ご両親にとっては、お孫さんの誕生は嬉しいイベントです。出産準備品を買ってもらったり、出産祝いを早めにいただいたりするなど、「援助」ではなく「お祝い」という形で協力してもらえることもあるでしょう。
産休中に使える自治体独自の支援制度
全国共通の給付金制度に加えて、お住まいの自治体によっては独自の支援制度を設けているところがあります。
ここでは、自治体独自の支援制度について詳しくご紹介します。
お住まいの地域でどのような支援が受けられるか、確認してみてください。
出産・子育て応援交付金の申請方法
この制度は2023年1月から全国でスタートした比較的新しい制度で、妊娠届出時と出生届出時に合計10万円相当を受け取ることができます。
申請方法は自治体によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
- 妊娠届出時に、保健師等との面談を受ける
- 面談後、妊娠届出時の給付金(5万円相当)の申請書を記入
- 出産後、出生届出時に再度面談を受ける
- 面談後、出生届出時の給付金(5万円相当)の申請書を記入
面談では、妊娠中や産後の不安、子育ての悩みなどを相談することができます。
お金のことだけでなく、育児に関する情報やサポートを得られる良い機会ですので、ぜひ活用してください。
自治体ごとの上乗せ給付金(東京都・大阪府の例)
東京都福祉局や大阪府など、独自の上乗せ給付金を設けている自治体もあります。
ここでは、いくつかの例をご紹介します。
東京都の場合 東京都では「018サポート」として、都内在住の18歳以下の子ども1人あたり月額5,000円(年間6万円)を支給しています。所得制限はなく、0歳から18歳まで受け取ることができます。
大阪市の場合 大阪市では、こども医療費助成制度として、18歳までの子どもの医療費の自己負担分を助成しています。また、多子世帯向けの支援として、第2子以降の保育料無償化なども実施しています。
このほかにも、各自治体でさまざまな独自支援を行っています。
お住まいの自治体のホームページを確認するか、子育て支援の窓口に問い合わせてみてください。
母子父子寡婦福祉資金貸付制度
この制度は、ひとり親家庭の方が対象ですが離婚を予定している方や、配偶者のいない方で産休を迎える方は利用できる可能性があります。
この制度では、生活資金、住宅資金、修学資金など、さまざまな目的に応じた貸付を受けることができます。
例えば、生活資金は月額最大10万5,000円まで借りることができ、据え置き期間は6ヶ月、償還期間は最大20年となっています。
金利は、保証人がいる場合は無利子、保証人がいない場合でも年1.0%と低金利です。
申請は、お住まいの市区町村の福祉事務所で行います。
住居確保給付金(家賃補助)
この制度は、離職や廃業、収入減少などにより住居を失うおそれがある方に対して、家賃相当額を支給するものです。
産休・育休による収入減少が対象になるかどうかは、自治体によって判断が異なりますが、生活に困窮している場合は相談してみる価値はあります。
特に、家賃の支払いが厳しくなっている場合は、滞納する前に早めに相談することが大切です。
支給額は、地域や世帯人数によって異なりますが、東京都23区の場合、単身世帯で月額約5万円、2人世帯で約6万円程度が上限となっています。支給期間は原則3ヶ月ですが、最大9ヶ月まで延長できる場合があります。
申請は、お住まいの自治体の自立相談支援機関(生活困窮者自立支援の窓口)で行います。
「生活困窮者」と聞くと抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、産休中の一時的な収入減少でも相談できますので、気軽に問い合わせてみてください。
産休中の支出を減らす節約術・家計管理のコツ
産休中のお金の問題に対処するには、「収入を増やす(給付金を確実に受け取る)」だけでなく、「支出を減らす」という視点も重要です。
ここでは、国税庁や日本年金機構の情報を参考に、産休中の支出を減らすコツをご紹介します。
産休中は社会保険料が免除される(手続き方法)
日本年金機構によると、産休・育休中は、申し出により健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。
この免除制度を活用することで、毎月の負担を大幅に減らすことができます。
例えば、標準報酬月額が25万円の方の場合、健康保険料と厚生年金保険料の自己負担分は合計で約3.5万円程度になります。産休・育休中にこの金額が免除されるのは、非常に大きなメリットです。
しかも、免除されている期間も、将来の年金額の計算では「保険料を納めた期間」としてカウントされます。つまり、保険料を払っていないのに、払ったものとして年金が計算されるのです。
社会保険料免除の手続きは、会社を通じて行います。会社の人事・総務担当者に「産休・育休中の社会保険料免除の手続きをお願いします」と伝えてください。すでに産休に入っている方で、まだ手続きをしていない場合は、早めに会社に連絡しましょう。
固定費(通信費・保険料)の見直し方法
産休中に支出を減らすためには、毎月一定額がかかる「固定費」を見直すのが効果的です。
通信費の見直し スマートフォンを大手キャリアから格安SIMに変更するだけで、月に3,000〜5,000円の節約になることがあります。最近は格安SIMでも通信品質が向上しているため、使い勝手はほとんど変わりません。
保険料の見直し 生命保険や医療保険を見直して、不要な保障を外すことで保険料を下げることができます。特に、会社の健康保険に加入している方は、傷病手当金などの公的保障があるため、民間の医療保険はそれほど手厚くする必要がない場合もあります。
サブスクリプションの見直し 動画配信サービスや音楽配信サービスなど、使っていないサブスクリプションがあれば解約しましょう。月額500円程度でも、年間にすると6,000円の節約になります。
医療費控除・高額療養費制度の活用
出産にかかった費用は、医療費控除の対象となる場合があります。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額(10万円または所得の5%のいずれか低い方)を超えた場合に、超えた金額を所得から控除できる制度です。出産費用から出産育児一時金を差し引いた金額が対象となります。
例えば、出産費用が60万円で、出産育児一時金50万円を受け取った場合、自己負担額は10万円です。他の医療費と合わせて10万円を超えていれば、医療費控除を受けることができます。
また、帝王切開など保険適用となる出産の場合は、高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度は、1ヶ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口での支払いを上限額までに抑えることができます。
ベビー用品を安く揃える方法(レンタル・中古活用)
出産準備にはお金がかかりますが、工夫次第で費用を抑えることができます。
すべてを新品で揃える必要はなく、レンタルや中古品を上手に活用しましょう。
レンタルがおすすめのベビー用品
- ベビーベッド(使用期間が短いため)
- ベビースケール(体重計)
- チャイルドシート(新しい安全基準のものをレンタル)
- ベビーカー(高価なものはレンタルで試してから購入)
中古・お下がりでOKなもの
- ベビー服(すぐにサイズアウトするため)
- おもちゃ
- 絵本
新品で購入した方が良いもの
- 肌着類(直接肌に触れるため)
- 哺乳瓶の乳首(衛生面の理由)
- 抱っこ紐(安全性の理由)
また、フリマアプリやリサイクルショップを活用すると、状態の良い中古品を安く手に入れることができます。ベビー用品は使用期間が短いため、ほとんど使っていない状態のものが出品されていることも多いです。
よくある質問
産休中のお金に関して、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 産休中に給与は出ないのですか?
A: 産休中は原則として給与は支払われません。
産前産後休業中に給与を支払う義務は法律上ありません。ただし、会社によっては産休中も給与を支払う制度を設けているところもあります。
給与が支払われない代わりに、健康保険から「出産手当金」が支給されます。出産手当金は、給与の約3分の2に相当する金額で、最大98日間受け取ることができます。
Q2. 出産手当金と育児休業給付金は両方もらえますか?
A: はい、両方受け取ることができます。
出産手当金は健康保険から、育児休業給付金は雇用保険から支給されるため、両方を受け取ることができます。ただし、支給される期間が異なります。
出産手当金は産前42日〜産後56日の期間、育児休業給付金は産後休業終了後(出産日から58日目)から子どもが1歳になるまでの期間が対象です。つまり、産後56日までは出産手当金、その後は育児休業給付金を受け取るイメージです。
Q3. パート・アルバイトでも給付金はもらえますか?
A: 条件を満たしていれば、パート・アルバイトでも受け取れます。
出産手当金は健康保険に加入していれば、パートやアルバイトでも受給対象となります。週20時間以上働いていて、雇用期間が2ヶ月を超える見込みがある場合、健康保険に加入できます。
育児休業給付金は、雇用保険に加入しており、育休開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あることが条件です。パートやアルバイトでも、この条件を満たしていれば受給できます。
Q4. 夫の扶養に入った方がお得ですか?
A: 産休・育休中に扶養に入ることはできない場合が多いです。
扶養に入るためには年間の収入が130万円未満(税制上の扶養は103万円以下)である必要があります。出産手当金や育児休業給付金は非課税ですが、健康保険の被扶養者の判定では「収入」としてカウントされます。
具体的には、出産手当金や育児休業給付金を日額に換算して3,612円以上(年間130万円÷360日)になる場合、夫の健康保険の扶養に入ることはできません。多くの場合、この金額を超えるため、産休・育休中も引き続き自分の会社の健康保険に加入することになります。
ただし、産休・育休中は社会保険料が免除されるため、扶養に入らなくても金銭的な負担はありません。
Q5. カードローンは利用すべきですか?
A: カードローンは最終手段として考えてください。
カードローンは、審査に通れば比較的簡単にお金を借りることができますが、金利が高いため返済の負担が大きくなるリスクがあります。
まずは、本記事でご紹介した公的な支援制度(緊急小口資金、出産・子育て応援給付金など)を活用することをおすすめします。それでも足りない場合は、生命保険の契約者貸付や、家族への相談を検討してください。
カードローンを利用する場合は、必ず返済計画を立て借りすぎないように注意することが大切です。
Q6. 産休前にやっておくべきことは?
A: 主に以下の3つを準備しておくことをおすすめします。
- 最低3ヶ月分の生活費を貯金する 出産手当金や育児休業給付金は、産後2〜3ヶ月経ってから入金されます。その間の生活費を確保しておきましょう。
- 給付金の申請方法を確認しておく 会社の人事担当者に、出産手当金や育児休業給付金の申請方法を確認しておきましょう。必要書類や手続きのスケジュールを把握しておくと、スムーズに申請できます。
- 固定費の見直しをしておく 通信費や保険料など、毎月の固定費を見直して、産休中の支出を減らす準備をしておきましょう。
まとめ:産休中のお金の不安を解消する3つのポイント
本記事では、産休中にお金がない時の対処法について詳しく解説してきました。
最後に、重要なポイントを整理しておきます。
今すぐお金が必要な方 → 自治体の支援制度を活用
- 出産・子育て応援給付金(10万円)をまだ受け取っていない方は、すぐに申請しましょう
- 緊急小口資金(最大10万円・無利子)は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会で申請できます
- 住民税の減免・猶予制度も、自治体の窓口で相談できます
給付金待ちの方 → 入金を早める行動を
- 出産手当金の入金は産後2〜3ヶ月後が目安です
- 書類の不備がないか確認し、会社の担当者に手続き状況を確認しましょう
- 産前分だけを先に申請することで、少しでも早く入金を受けることができます
産休前の方 → 事前準備が重要
- 給付金の入金は産後2〜3ヶ月後と想定し、最低3ヶ月分の生活費を貯金しておきましょう
- 固定費の見直しは今から実施しておくと、産休中の家計が楽になります
- 2025年4月からの新制度「出生後休業支援給付金」により、手取り10割相当の給付が受けられる場合があります
産休中は一時的に収入が減る期間ですが、公的な給付金制度や支援策を活用すれば、乗り切ることができます。お金の不安を感じたら、一人で抱え込まず、市区町村の窓口や社会福祉協議会、会社の担当者に相談してみてください。
これから出産を迎える皆さまが、安心して産休を過ごせることを心から願っています。

